見慣れた、けれども毛色の違う耳としっぽ。
潤は『美人』なタイプだが、この子は『なごむ』という言葉のほうが似あっている。
「翔さんですね。
噂は潤くんから聞いてますよ。
やっぱり話しても話し尽きないだけあって・・・」
「うわーーーー!!」
突然潤は叫ぶと、カズと呼んだ狐の口元を塞ぐ。
おまけに思いきり腕を引っ張ると、ずるずると部屋の反対側へと移動した。
「翔ちゃんとこにも、狐ちゃんいたんだ」
「まさか、ね。
雅紀も?」
「そう。かわいいよね~。くふふふ」
雅紀は二人を見つめながらにっこりと笑う。
そっか。俺のところだけじゃないんだ。
ちょっとだけつまらなく感じたが、潤がいてくれているのは俺のところだけ。
そっか、俺のところだけ。
二人のわちゃわちゃしている姿を見ると、なぜだか自分もにっこりとしていた。
そんなこんなで、なかまが増えました。
「ところで翔さん。
ミニもあるって知ってます?」←天使のささやき?