子どもの学資を生命保険で用意しようという方は多いです。
その場合、例えば契約者は父親、被保険者は子ども、死亡保険金の受取人は父親という形で、生命保険保険契約を結ぶことがあります。
子どもの学資を生命保険で貯めながら、もしも子どもに万が一のことがあった場合には保険金がおりる、というような契約形態です。
しかし元々学資のために契約した生命保険ですが、もしも学資として解約せずに生命保険契約をその後もずっと解約せずに残した場合には
●子どもの結婚資金に充てる
●お孫さんの教育資金に充てる
●子どもの老後資金に充てる
などのように別の用途にも使うことができます。
ただし、契約者は父のままでも結構ですが、歳を重ねるに連れ判断能力が落ちてしまうことを考慮すると、父が認知症等になる前に契約者の名義変更をしたいものです。
では、保険料を全て父親が負担した生命保険契約を子どもに名義変更して、いずれ解約をした場合、子どもが受け取る解約返戻金にはどういった税金がかかるでしょうか。
この場合、保険料負担者は父親ですので、名義変更後の契約者が子どもであったとしても、解約返戻金には贈与税がかかります。
もしも一括でこの解約返戻金を受け取る場合には、税額が高額になることもあり得ますが、年数を分けて分割して受け取ることによって贈与税を支払うことなく解約返戻金を受け取ることができる仕組みがあります。
それが『暦年贈与』という仕組みです。
暦年贈与の仕組みを使って、毎年110万円以内に解約返戻金を抑え、何年かに分けて解約返戻金を引き出すことによって、贈与税が課税されずに済みます。
このように、学資保険のような契約者の名義変更が生じる可能性のある生命保険契約に関しては、出口まできちんと考慮しておく必要があります。