いよいよ今日、ワールドカップを戦うためにロシアへ出発します。
ブラジルでの惨敗から4年間待ち続けた夢の舞台。
4月に理解不能な理不尽な監督解任があり、現地参戦するサポーター仲間同様に僕もかなりモチベーションが落ちていました。
そんな時、整理をしていたら1998年フランスワールドッカップアジア最終予選のパンフレットが出てきたんです。
1997年。今から21年前。
ワールドカップ初出場がかかった最終予選。
ここで敗退したら、自国開催が初出場になってしまうという屈辱。
まさに
「絶対に負けられない戦い」
でした。
日本代表は不甲斐ない試合を繰り返し、予選途中で加茂監督を解任。
コーチだった岡田さんが監督に昇格。
それでも悪い流れを止められず、ついには残り数試合で予選突破の可能性が潰えるかもというところまでいきました。
文字通りの崖っぷち。
日本代表はそこから蘇り、グループ2位になり、イランとのプレーオフへ。
そして伝説の
「ジョホールバルの奇跡」
本当に感激しました。
涙が止まらなかった。
この試合を上回る興奮、感動、感激はそれから21年経った今でも味わったことはありません。
当時、大学2年で19歳だった僕はアジア最終予選は旧国立競技場現地参戦でした。
今では想像できないような熱気、そして殺気。
本当にあの時の国立競技場の雰囲気はすごかった。
いま思い出しても鳥肌が立ってきます。
日韓戦で山口素弘が決めたスーパーループシュートは僕のサッカー人生で最高のゴールです。
数日前、本屋で増島みどりさんの著書
「日本代表を、生きる」
に出会いました。
最終予選を戦った、フランス本大会に選ばれた22名、最後に外れてしまった3名のインタビュー記事。
「絶望とは可能性がなくなった時に使う言葉だ」 山口素弘
「世界中の選手が出たいと願い、努力する最高峰がワールドカップだ」田中博明
「歴史に名を残そうぜ」北澤豪
「自分が目指すものや点を取るために代表があるんじゃなくて、日本代表のために自分がどう生きるのか、それを考え、自分に課す場所なんです」 名波浩
「今持っている力は大したことではなくても、全て出し切って終わろうと、あの時はただただ、その気持ちで戦った」 岡田武史
「あの時、優勝候補の強豪を相手に、それでも引かずに全力で立ち向かって行った。彼らのあの精神を、私は忘れたことはありません」 小野剛
「たとえどんなに痛くても、骨が折れたってここに立ちたかったという人たちを思ったら、ピッチを去るなんてとてもじゃないができなかった」 中山雅史
あの時のチームは海外組は1人もいなかったし、今のチームより上手くはなかった。でも、チーム一丸となって本気で最後の最後まで諦めずに戦っていました。
ワールドカップ初出場から20年が経って今回で6大会連続出場。
今ではワールドカップは出場が当たり前となり、勝利が求められるようになりました。
正直、今回のチームでは予選突破は厳しいです。
直前の不可解な監督交代で突破の可能性はさらに下がったと考えています。
まともに戦えば3戦全敗です。
でも
でも
でも
ワールドカップは
世界中のすべての選手の
サポーター
そしてサッカーファンの
夢の
夢の大舞台なんです。
20年前は出場することが夢だった。
自分がそのスタジアムにいることなんて想像すらできませんでした。
前回のブラジルでワールドカップ現地参戦という夢を叶えました。
今回は2回目のワールドカップ現地参戦。
いつのまにか夢の舞台に立てる喜びを忘れてしまった気がします。
だから、僕はこの大会を本気で目一杯楽しんできます。
日本のサポーターの誇りを持って
腹の底から声を出して
声を枯らして
選手に負けないくらい戦ってきます。
選手には、全力で戦ってほしい。
2006年の中田英寿のように。
香川真司が、柴崎岳が、選手全員が死ぬ気で走り、戦う姿が見たい。
そうすれば結果はついてくるじゃないかな。
もし、今回の大会で、素晴らしい戦いをしれくれれば1997年の感動を上回るんじゃないかと期待しています。
山口のループシュートを超えるようなスーパーゴールが見たい。
1998年のベルカンプのような、2010年のフォルランのような、2014年のハメスロドリゲスのような、ワールドカップ史上に残るようなゴールを観たい。
個人的には、香川真司がやってくれるんじゃないかと期待しています。
クラブでの活躍を見ても、香川のサッカーセンス、テクニックは世界トップクラスなのは間違いありません。
残念ながら、クラブでの活躍と比べると日本代表でのプレーは見劣りします。
10番の呪縛を解き放って、楽しんでプレーしてほしい。
チームのために必死でハードワークをしてほしい。
世界中のサッカーファンを唸らせるような、胸のすくゴールを決められるのは日本代表では香川真司だけだと思います。
香川の力をシンジてる。
サッカーは何が起こるかわからない。
それがサッカーの魅力であり、醍醐味だと思っています。
番狂わせを起こすために
日本サッカーの一員であるという誇りを胸に
全力で戦ってきます。
では行ってきます。