われわれにとって大切なことは、遠くにぼんやりと存在するものに目をやることではなく、手近にはっきりと存在することを実行することだ。
人生は信じられないほどのスピードで過ぎ去って行く。私たちは、秒速30キロで空間を走っている。「今日」は、私たちにとって、かけがえのない所有物である。私たちにとって、唯一の確実な所有物なのだ。
私が子供の頃、野球をしていた野球場です。試合では、子供ですから「試合の流れ」とか「相手を読む」とかそんな戦略的なことは考えていません。監督からの指示はありますが、しかし、それは二の次だった。
今、この一球に夢中になれた。
夢中で打って、夢中で白球を追いかけた。
それがいつしか余計なことを考えるようになった。過去の経験や試合の流れを読むことを必要とされた。でも、楽しくないね。
その一瞬に命をかけるほうが絶対、楽しい。それを大人になると忘れてしまう。昨日ことを、明日のことばかりを言ってしまう。
でも、人生で大切なのは「この一瞬」だと思う。
せめて、自分の時間軸は「一日」で区切ろうと思う。
早朝、ウォーキングから帰ってきたら、息子の「朝顔」が綺麗に咲いていた。
スタート時には、窄んだままだったのに。
自然界でも「一瞬」に生きていると改めて思う。