滑稽なセリフにこめられた真実
『身体がノーと言うとき』参考
「けっして怒ったりなんかしないさ。そのかわり、癌になるよ。」
怒りの抑圧は生理的なストレスを増す。
怒りを怒りとして感じることは治癒を促す。
例えば医師に向かって怒りを奮い起こすことの出来る患者は、従順な患者よりも生存期間が長かった。
怒りを表現する
怒りを抑圧しても爆発しても、感情の異常な表出である。
怒りの抑圧も爆発も、本当の怒りを感じることを恐れる気持ちがもたらす。
健全な怒りは力と安らぎを与えてくれる。
本当の怒りを感じるとは、表面化しないで、体内をめぐる力の高まりであり、攻撃のために動員される力とは別で、怒りの体験と同時にあらゆる不安は完全に消滅する。
本当の怒りを体験するとき、劇的なことは何も起こらない。
ただすべての筋肉の緊張がゆるむだけだ。
あごの力が抜けて口は大きく開く。声帯から力が抜けて声の音程が低くなる。
肩が下がり、全身の筋肉がほぐれるのを感じる。
抑圧された怒り
子どもの中では常に怒りと不安が結びついていて、怒りの防衛が不安である。
怒りは不安を呼び起こす、なぜなら、愛情やふれあいの欲求があるところに存在するからである。
しかし、攻撃されるエネルギーの怒りは、愛する人との結びつきを脅かす。
愛する誰かに攻撃的な怒りの気持ちを抱けば、どうしても不安や罪悪感が生まれる。
親が子どもの怒りの表現を妨げたり禁止したりすればするほど、当然、その体験によっては怒りはより大きな不安をもたらすようになる。怒りを完全に抑えたり、抑えこみ我慢する人はみな、子どもの頃に親から子どもらしい自然な怒りを受け容れてもらえなかったのである。
愛する相手に怒りを覚えたときに、どうしていいか分らずに立ちすくんでしまう。
もし、私が愛する相手に「嫌だ」と言ったら、私は不安を感じて頭が真っ白になり怯えて、ビクビクしたり、クヨクヨしたりしてしまう。
中枢神経、免疫、内分泌系の混乱
怒り、悲しみ、拒絶、等のネガティブな感情に対する「不安」は、身体の奥深くに刻み込まれる。
怒りなどが内側に向かえば、免疫系は混乱し、私たちの身体を攻撃する。
混乱した信号を正常に戻すというのは、免疫系の防衛機能に刺激を与えることだ。
そこに心理セラピーが施されてしかるべきである。
怒りが内向したままでは、ストレスを減らすことは無理である。
怒りは情報
●人間関係の上での喪失感、不安に対する情報
●自分の境界を侵入された、恐怖に対する情報
●そうした怒りを実感し、怒りをもたらしたのは何かをよく考える事が出来れば、誰も傷つけることなく大きな力を手にすることが出来る。
●何らかの方法でその怒りを表出してもいいし、忘れてしまってもいい。大切なのは抑圧しないことだ。
●健全な怒りは境界線を尊重している。
●怒りは、幼い子どもが自分のために一歩進み出て「自分は大切な存在だ。」と宣言するためのエネルギーだ。
自律と差異化
自己と非自己を区別する
境界の確立をする。自己を意識する。
問い
人生に何を求めているのか? 愛とハーモニー
人間関係に何を求めているのか? 承認 思いやり 慈悲
もっと欲しいものは何か? コミュニケーション
もっと減らしたいものは何か? 自分責め 虐待 ネグレクト
私が超えたくない限界はどこまでか? 今ココにあったこと
自分を自律する中核は自分の中にあるか? 逃げ回っている
これからは、怒りのエネルギー身体の中で感じてみよう。
そして、怒りの情報を自分のために分ってあげようと思う。