Tableauを使いこなす中で、データ可視化やLOD計算のようなテクニックを習得することは大切だが、さらに一歩進むと、統計学の知見を取り入れた分析が大きな価値を生む。統計学は、データを扱う上での理論的な裏付けを提供し、相関関係や因果関係、分布や有意性といった概念を理解する助けとなる。Tableauは統計ソフトとは異なるが、基本的な統計指標の計算や、RやPythonと連携することで高度な統計モデルを適用することが可能だ。
例えば、ある金融商品の売上データをTableauで可視化すると、季節性のパターンや特定顧客群の購買傾向が浮かび上がる。しかし、その背景にある要因や変動の有意性を把握するためには、統計的手法が求められる。相関係数や回帰分析を通じて、価格変動が売上に与える影響を定量的に把握したり、顧客セグメントごとの購買傾向が統計的に有意であるかを検証したりすることができる。
また、ビジネスの現場でTableauを活用する際には、ただ「きれいなグラフ」を見せるだけでなく、その可視化から読み取れる示唆を意思決定につなげることが重要だ。例えば、DataSaberチャレンジを通じて得たスキルを実務に応用すれば、経営層に対して売上予測やリスク評価を報告し、新商品のターゲット顧客を特定するなど、戦略立案に役立つインサイトを提供できる。
さらに、統計学的な考え方は、ヒューリスティックな判断や直感的な認識の偏りを正し、より客観的なビジネス判断を下す助けとなる。Tableauのビジュアル分析は、その理解を加速させる補助線となる。つまり、統計学の理論とTableauの可視化を組み合わせることで、データに基づく合理的かつ創造的な戦略が生み出せるのだ。
これまで三部作を通じて、私は単なる金融系会社員として初めてTableauに触れた経験から、分析手法の高度化、そして統計学とビジネス活用への展開までを探求してきた。DataSaberチャレンジはその出発点に過ぎないが、これを機に、データから価値を紡ぐ新たな視点を得られたことは間違いない。これからも学びを深め、分析者としての視野をさらに広げていきたい。
- 前ページ
- 次ページ