今日、地方公務員に対する社会の評価は極めて厳しいものがあります。
地方公務員は、成績主義の原則により、競争試験や選考などの厳格な能力実証を経て採用がなされ、地方公務員の資質は本来高いものであるはずなのであります。
しかしながら現実には「独自の世界」を形成しており、それが組織の文化となっている。
そこでは外部との競争は少なく、公務員同士においても競争よりはむしろ秩序が重んじられ、当たり障りのない、いわゆる事なかれ主義が確立されています。
 行政の役割が明確であり、住民も行政に依存し、行政を信頼していた時代においては、こうした特色も「公務の特殊性」の名のもとに説明され、地方公務員自身もそれを当然として受け止めてきた感があるように思います。
 しかし今日の社会情勢化においては従来のような文化を踏襲する事は非常に難しい状態にあるのではないか。
それを続けていく事により、更なる住民の不信感を招くとともに、市民との協働による『まちづくり』が不可能になっていきます。
地方公務員の意識については、まず一義的に危機意識が希薄なところを改め
「独自の世界」に閉じこもらず、外部環境を正しく認識し、自らの立場を理解して迅速な対応をとることが必要であります。
さらに、組織内において、切磋琢磨の意識を形成し、一定の競争の中でお互いを高めていく機会が必要であります。
そのことにより、少なくとも結果的に専門性や政策構想力等、地方公務員の資質の向上があるのだと思います。