今まで、杉小管理人という名の皮を被った一保護者の戯言にお付き合い頂きましてありがとうございました。 今回がラストとなりますので、総まとめとして最後の記事を思うままに書き綴っていきたいと思います。今一度、お付き合い下さいませ。
約4年弱、ドッジボールに関わる事により、各年代で生まれたたくさんの思い出と、その選手達が成長していく様を見続ける事ができた事は、ワタクシの今までの人生の中でも至福の時でした。と同時に様々な年代、職種、環境の方々と接し、話しをすることにより、色々な考え方や意見を聞くことができ、自分もだいぶ成長する事ができたと思っております。
スポーツをする事の最大のメリットと目的は、仲間が生まれる事、その仲間達と目標に向かって頑張る事、一生懸命にやったという充実感などで、それによって、仲間を思う気持ちや人の気持ちが分かるようになるなどの「精神の向上」だと思います。
確かにスポーツには「勝敗」や「強弱」という部分も必ず付きものですし、「一軍・二軍論」などもあります。
でもそれは、あくまでも「勝った、負けた」「強かった、弱かった」「一軍だった、二軍だった」という単なる小さな「結果」の話であり、スポーツをすることの本質ではないと思っております。
本質とは?
武士に例えるならば、立派な刀を持つことや綺麗に髷を結うということは武士の本質ではなかった筈ですし、剣術の技術というのも重要なファクターのひとつでしたが、それでさえ本質ではなかった筈です。おそらく、清く生きる事、死への覚悟、真っ直ぐな生き様など、本質はもっともっと抽象的かつ根本的なもので、遥かに大きなものだったに違いありません。
そして同じように、スポーツや武道というものは、技術を習得してそれを試合で試して出た「結果」が全てではなく、それに向かって努力する事により心を鍛え、思いやりのある大らかな精神を育てるということが最大の目的であり「本質」に近いのではないかとワタクシは考えています。
これから、ドッジボールを卒業する選手達の中には、中学・高校とスポーツを続けていく子もたくさんいるでしょう。残念ながら、ドッジボ-ルという競技は、小学生の段階で終わってしまいます。これから、いろんな競技へと旅立って行く選手達は、ドッジボールという素晴らしい競技を小学生生活の最高の思い出として心に納め、気持ちを切り替えて、これから始まる新たな競技に全力でぶつかって行ってほしいと思っております。
確かに、今まで頑張ってきた競技を離れるのは、かなり後ろ髪を引かれる思いがあるでしょう。しかし、中学生になってしまえば、いくらやりたいと思っても、ドッジの公式戦はありませんし、新しい競技に半端な気持ちで取り組む事になってしまいます。
そして、小学生スポーツから中学生スポーツ、中学生スポーツから高校生スポーツと年齢が進むにつれて、そのレベル、特に中学スポーツから高校スポーツあたりでは、レベルというより技術や体力の「次元」が変わり、半端な気持ちでは続ける事のできない世界になっていきます。
ドッジでも、夏の予選の頃から春の予選の頃までの、たった半年の間にでさえ、特に6年生の身体や技術の急成長などにより、県内の状況や力関係、勢力図が変わってくるのをかなり感じると思いますが、身体がガンガン成長する中高生の時期は、そのさらに超強力バージョンみたいなものなのです。
手前味噌で、自慢っぽく聞こえると嫌だなぁと思って、書こうかどうか迷ったのですが、未来の選手の為に書こうと思います。ワタクシ自身の短距離走の記録の例です。
ワタクシは、ラグビーでウイングをやっていたくらいなので、結構足が速かったのです。
中学生の時の50m走のタイムは記録が「6秒7」で100m走が「11秒8」。
高校生の時は50m走が「5秒9」で、100mが「10秒9」。体育の先生からは、教師になって初めて50m5秒台を計ったと言われました。
(その代わり、持久力がゼロで長距離走は帰宅部にも負けるようなタイムでしたが…笑)
中学時の記録の50m「6秒7」は、中学レベルでは校内トップの記録で、当時出場した県陸上の400mリレーで県2位の記録が出るくらいでしたが、高校のラグビー部では、バックス(走る方のポジション)の選手なら高校2年生にもなると、全員が楽々「6秒7」くらいで走っていました。これくらい、中学と高校ではレベルが違ってきます。
だから、小中学生のうちにあきらめたり、挫折を感じるのは早すぎると同時に、中学、高校、大学とスポーツを続けていくには、今まで以上に気合いを入れてやらなければならない世界でもあるということなのです。
我々が今まで見守ってきた小さかった選手達も、小学校を卒業して、新しい世界へと夢をもって飛び出して行きます。中学生になるために、そして大人へと向かって、楽しかった小学校生活やドッジボールを思い出として封印し、次なる世界へと飛び出して行くのです。
それは、セミの幼虫が安全な土中生活を捨てて、空を目指すように。
ヤゴが水中で生活できる能力を捨ててまで、トンボとなり空を目指すように。
空は土中や水中に比べて、自由も多い代わりに敵や危険も多くなります。それでも皆、空に向かいます。
人間の世界でも、大人を目指して上に進むにつれて、純粋な心のままでは辛すぎて、やりきれない事も多くなってきます。
しかし、そこでスレたり腐ったりせずに、出来るだけ純粋な心のままで、その厳しい試練を乗り越えることにより、人は大きく成長することができると思うのです。
勉強にしろ、スポーツにしろ、小学生段階での差など微々たるものです。
小学生時代はトンボで言えばヤゴの時代のようなものです。ヤゴの時代の結果にこだわり過ぎて先に進むのを諦めてはいけません。
トンボになって大空から水中を見下ろした時、トンボの眼には水中のヤゴの個々の優劣など、どのように写るのでしょうか?きっと小さすぎて気づかない程度の優劣でしょう。
また、渓流に残ったヤマメは、成長してもせいぜい30cm程度で、美しい色で穏やかな表情のまま一生を終えますが、厳しい海へと降りたヤマメは、勇ましい顔と風貌へと変化し、体長が70cmにもなるサクラマスとなって川へ帰ってきます。
渓流に残ったヤマメにとって、厳しい海は想像もつかない世界なハズですし、ブロッコリーの中に住んでいる虫にとっては、ブロッコリーが世界の全てであり、自分が世界最強だと思っていることでしょう。
しかし、世界は広く、まだまだ上には上がいます。
そんな中、我等がドッジボーラー達は、今まで続けてきたドッジボールという、ある意味究極のスポーツの経験を糧に、今までよりも遥かに厳しい環境の中で鍛えあげられて、さらなる大きな人間に育ってくれると信じております。そして、サクラマスのように勇ましく、本当の強さを身につけて帰って来た時には、その時代の頑張っている選手達に指導をしてやってほしいと思います。
今から巣立っていく子供達には、これから無限の可能性が秘められています。だから選手全員が中学生という次の段階でも、何事にも自信を持って思いっきり頑張っていってほしいと願っています。
「努力は必ず報われる」と言われる場合もありますが、最大限の努力をしても、「結果」としてのハッピーエンドは必ずしも訪れるとは限りません。
しかし、「本質」としてのハッピーエンド、友達以上の仲間ができる事や仲間を思い助け合う心、最後まで諦めずに努力する精神など、人間として一回り大きく成長する、スポーツを通じた本当の意味でのハッピーエンドは必ず訪れます。
そして、それこそが子供達にとって、生涯においての至高の宝になると確信しております。
また選手全員に、そして我が息子に、この宝を得る機会を作っていただきました、監督さん、コーチ陣の皆様、日本ドッジボール協会様、仙台ドッジボール協会様、各チームの指導者の方々、本当に本当にありがとうございました。
あとがき
息子が入部してから4年弱。ホームページを立ち上げ、「杉小管理人」を名乗ってから約2年間という短い期間でしたが、言葉では表しつくせないくらい、もの凄く濃い時間を過ごさせていただきました。
事の始まりは、ヨシカズコーチから応援団長をして欲しいとお願いされたことでした。(当時はヨシカズ君に頼まれたのか、ユウジ君に頼まれたのか見分けがつきませんでしたが…笑)
そして一緒に応援の仕方などを試行錯誤していくうちに、一保護者と指導陣との関係において敷居が低くなりつつあり、調子に乗ってホームページも作ろうか?という感じで、それこそノリ一発だけでホームページの制作に入っていきました。
勢いで制作に入ったものの、ホームページ制作自体が殆ど初めてのような状態で、完全なる独学でのスタートでした。(今でも本当にこの作り方で良いのだろうか?と思いながら作っていますが…笑)
また、新参保護者が今までの歴史を整理してまとめるのは想像以上に大変で、「産み」の苦しみもたっぷりと味わいました(笑)。しかし、選手の頑張りと監督さんやコーチ陣のバックアップ、そして保護者の皆様、県内外の各チームの皆様からの温かい励ましをパワーに何とかここまでページを作ることができました。
しかし自分で作ったとはいえ、ホームページ上や掲示板、写真館上でのコメント、そして、このブログもそうですが、直接指導をしている訳でもない一保護者が、本当にドッジボールを語って良いのだろうか?失礼なのではないか?という葛藤は常にありましたし、今でももちろんあります。けれども、これからスポーツを始める子や一般の人々に少しでもドッジボールの世界を知ってもらいたいと思い、少なくとも、他の方よりも情報を発信することが出来る環境にいるということを最大限に利用しようと考え、今後のドッジボールの為に独断と偏見で書き続けてきました。
ワタクシは、これからの時代、ドッジボールがもっともっとメジャーになり普及していくことを心から願っています。
そして、どこの家庭でも
「他のスポーツは、後からでもできるのだから、小学生のうちはドッジボールをやりなさい。」
というような会話が普通に行われるようになることも願っています。
また、初期のワタクシがそうであったように、子供がドッジボールチームに入ると言った時に
「どぉっじぃぼぉぉぉるぅぅぅーーっ?????」
というような反応をする大人が一人でも減ることも強く願っています(笑)
今年度がスタートしてすぐに父が急死したことにより、仕事上、立場上すぐにでも引退せねばならない状況だったのですが、長男が卒業するまでと無理を言って何とかここまで管理人を続けてまいりました。
しかし、ついにその約束の「長男の卒業」がやってきてしまいました。
これから、環境を整えることができましたら、次男と共にまたドッジの世界に戻ってこれたら良いなぁとは思っております。
時々は大会を見に行こうとも思っておりますので、皆様、またどこかの会場でお会いした時は、是非声をかけて下さいね。
そして、またいつか機会を得て復活することがありましたら、どうか温かく迎えてやって下さい。
その時まで、さようならドッジボール…。
さようなら、杉小キャイーンブラザーズ…。
杉小管理人