T病院での初めての診察日。
前病院からの引継ぎが終了し、いよいよ新主治医のK先生による治療が始まる。
6ヶ月ぶりに超音波診断を受ける。
しこりの大きさは、3.1 × 2.9 × 2.8 cm。
FEC終了時には、2cmって言われていたのに、今は3.1cm。
2010.06 発見時 → 3.5cm
2010.10 FEC × 4回後 → 2.0cm
2010.12 タキソテール × 2回後 → 3.1cm
2ヶ月で1センチも大きくなっていた。
やっぱり。入浴時に感じた違和感は当たっていた。
タキソテールは効いていない。
K先生曰く「M医師の紹介状にも、タキソテールの効きはあまりよくない様子だ、って書いてあります。」とのこと。
でも、私にはタキソテールの効きが悪いことを、隠していた。
乳癌の名医が言っていた言葉を思い出す。
「患者を不安にするだけの言葉なら、言わないほうが良いと思っています。」
M先生も名医と同じスタンスだったのかもしれない。
そんな状況にもかかわらず、君は転院していくのか?という気持ちもあったのかもしれない。
急遽、同じタキサン系のタキソールをウィークリーで12クールに変更することになった。
タキソールの主な副作用についてK先生から説明を受ける。(前の病院では薬剤師が行った)
・白血球減少
・吐き気(わずか)
・手足のしびれ(防止するためにビタミン剤と漢方薬を飲む)
・脱毛
・皮膚、爪の変化
・アレルギー
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今後の手術方針を確認する。
比較のため、転院直前までM医師から言われていた手術方針を併記する。
K医師(新主治医) / M医師(旧主治医)
手術は :全摘、同時再建 / 温存
リンパは :10個程度サンプリング/ 4~5個取って全部OKなら残す
がん診療連携拠点病院の相談支援センターに以前電話相談をした際は、
・乳癌は国際的な標準治療法が確立されているので、どの病院でも受ける治療は原則同じである。
・抗癌剤の種類だけでなく、手術方法もおそらく同じになる。
と言われた。でも、手術方針は違うのもとなった。
突然の全摘宣言に動揺し、「全摘ですか・・・?」と確認すると、
「これだけしこりが大きいと全摘です・・・」と申し訳なさそうにK先生は言った。
温存から全摘・・・。これは大きな差だった。
胸に少しキズが付くのと、胸が無くなるのとでは大きく違う。
子供への説明の方法も変わってくる。
この決定の違いは、先生の考え方や経験や性格による違いなのだろうか。
最初を見ていないから、安全側の治療方針にしたのだろうか。
欧米では遺伝性の乳癌の場合、温存手術後の乳房内の再発率が高いというデータがあると後に本を読んで知る。
私の母も乳癌で亡くなっている。
それを考慮して全摘としたのだろうか。
増殖力が高く、予後の悪いトリプルネガティブだから、再発を考慮しての決定なのだろうか。
旧主治医のM医師も、再び大きくなってしまったしこりを見たら、全摘に変更しただろうか。
ここは今も私の中では消化不良。
でも、どちらが正しいのかは、分からない。
私がどう納得するか、の問題だと思う。
乳房内再発におびえる毎日より、全摘でよかったと思うしかない。
診察の最後にK先生は「これから一緒にがんばっていきましょう」と明るく言った。
優しい言葉に感動。よろしくお願いいたします。
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血液検査でOKが出たので、点滴センターへ。
開放的な雰囲気。
カーテンもみんな開けたまま。
看護師さんは、FECで痛んだ血管をみて、点滴前にホットタオルで腕を暖めてくれる。
なんだか、前の病院にはない、いいことばっかりで感激する。
タキソテールの副作用が楽だったので、タキソールも同じだろう、と軽い気持ちで点滴される。
気分が悪くなることもなく、眠くなることもなく、2時間程度で終了。
ウィークリータキソールのお会計は・・・
<乳癌関連の出費>
【今回の治療費】 25,630円(3割自己負担)
【治療費の総額】343,790円(治療開始から6ヶ月)