時間のものさし 林雄二郎


昭和40年、日本社会を発展させる為のガイドラインとして2ヵ年計画を中期計画、5カ年計画を長期計画と呼んでいたが、私の「林リポート」

20年後の社会を予見していた。



ある時、文化人類学学者の梅棹忠夫君と議論していると彼は深刻そうな顔でこう言った。


「こういうことを今のうちにきちんと考えておかないと、人類は間もなく滅びるな」と。


慌てて「それは、何年後のことだ?」と尋ねると「そうだなぁ、五千万年もてばいいほうだ」と真面目な顔で言った。

そして、その事が心配でならない顔をしている。


その時私は思った。

あぁ、この人の持っている時間のものさしは、私とは違うんだな。時間のものさしは一つではなく、無数にあるんだなと。