「いなくなった感覚がないんですよ」
少しだけ笑顔で、彼のお父さんはそう言われました。
オレが尊敬する生き方をした彼は、その時まだ19歳。
長いような短いような、そんな13年間の付き合いでした。
今日は彼のご両親がお客さんで来てくれました。
嫌な事は嫌。
好きな事は好き。
やりたい事もやりたくない事も文字通り、身体全てで表現した彼。
真っ直ぐに、素直に、わがままに、懸命に、なりふり構わず自分を貫き通した彼。
沢山の人に愛情をもらい、沢山の人に笑顔を返した彼。
色々な仕草、表情、声、思い出。
沢山残していってくれましたが、笑顔ばかり思い出します。
彼の笑顔は最高の笑顔です。
「ここにきたら、居なくなってしまった事を実感してしまうんじゃないかと、怖かったのですが、そんな事なかったので良かったです。」
そう言って帰られました。
オレも未だに居なくなった気がしません。
もうすぐ彼の初盆です。
