彼女 というか奥様のお父様が 先月亡くなりまして 僕もとても悲しかったし 彼女の家族の悲しみを 一緒に乗り越えられたらと そんな一ヶ月だったのですが… 先程 母から話があると言われ 弟と2人話を聞くと 一昨日 15年前に離婚した 私の実父が亡くなったとの事でした 生まれた遠い鹿児島の島で 父の妹が中心となり 既に密葬を行ったとの事でしたが 驚きました 悲しいかどうかは 正直良く分かりません 父に対してはあまり良い記憶がなく 母と喧嘩する姿がほとんどだったし 物心ついた時には既に別居状態で 何回か弟と自分を連れて 旅行のような物に行った記憶が あるくらいなもの 自分が高校を卒業する時に 正式に離婚して 慰謝料やら 養育費も何も無しで その後も全く会っていない 自分の中で決して 『父親』ではなかった だから何だか良く分かりません ただ… 少し前 前の会社で 上司と話している時に 私の父が作家だと知った上司が ネットで色々調べて 何年か前に賞を取ったりして 記事にもなっていた事が分かって がんばってるんじゃんと 少し誇らしくなった時もあり 多分僕は弟よりは父の記憶もあるし うまく言葉に出来ないですが 心のどこかでは自分の父として 何らかの感情は持っていたと そんな気がしているので やはり複雑な感情が渦巻いています 悲しくはない どちらかといえば 虚しさに近いと思う 生きるのが不器用な人だった 幼い僕の記憶でもそう思うくらいに 賞を取った後も、 信用していた編集者に騙されて うまく立ち回れなかったらしく 書く気力を無くしているような そんな事をネットで見た 島に生まれて都会に出て 家族が出来て… 仕事が中々無く 生活も性格も荒れ やがて家族も失って… 死ぬつもりで島に帰って そこで一冊の本を産み キャリアのピークとなる賞を受け そして信用していた人に騙され 書く事が出来なくなった それが僕の知る父の人生 うつ病だったらしいという話も ちらっと聞いたが真偽は分からない 都内に住んでいた様で その事すら知らなかったが 1度でも会う事があれば 何か変わっていたのだろうか まあそれもすべて推測の話… 人の死で これ程 虚しいという感情が 沸く事を初めて知った これは何に対してなのか… 自分のルーツのひとつが 無くなった事に対してなのか それとも 家族を愛し そして愛され 暖かく見送られた『父親』の姿を 彼女のお父様の葬儀で目にし 家族を失って 自分の血を分けた子に 見送られる事もなかった 自分の父を哀れに思ったのか… 何だか良く分かりませんが とても複雑な想いです ひとつだけ言えるのは… 僕の文章を書きたいという想いと また僅かだとしても 人より文才があるのだとしたら その分はきっと父から 受け継いだものなのでしょう 僕は父と違って 本を書きたい訳ではない でも文章を書く仕事に 携わって生きていきたい そう思っています もらった物が少しでもあるとしたら それは大事にしていかなければと それだけは強く思っています それが僕にとっての 父への供養です そしていつか 生まれた島で眠る父に 会いに行こうと思います iPhoneからの投稿