本日、達増拓也知事へ会派いわて新政会で要望書を提出しました。


以下は要望書の内容です。



要望書提出にあたって

 

 昨年12月に中国武漢市において新型コロナウイルスの発生が確認されてから5か月が経過した。ウイルスは世界中で猛威を振るい、感染者は600万人に迫る勢いである。終息の見通しはまだ立っていない。

 5月25日、関東4都県と北海道の「緊急事態宣言」が解除された。これに先立ち、本県でも感染者が確認されないまま「緊急事態宣言」が解除された。これまでの新型コロナウイルス対策における保健福祉部及び医療局、関係者の皆さまの御尽力・御努力に心から感謝と敬意を申し上げる。

  5月20日、名古屋の「中部圏社会経済研究所」が、今年の失業者が301万人を越える可能性を予測した。来年の自殺者は4万人を越える、と予測するシンクタンクも出た。全ての都道府県の「宣言」が解除され、新たなフェーズを迎える。経済対策と事業者支援の重要性が強まる。県内経済の早期の立て直しと事業者支援、失業対策が求められる。「第2波」「第3波」も懸念される。県内ウイルス患者発生防止に全力を挙げる一方、今回の新型コロナウイルスが社会不安と経済的困窮と貧困、自殺を生み出すことのないよう、施策を十分に検討して頂きたい。

我が会派では「財政措置」「医療体制の充実」「経済・雇用対策」「教育現場に対する支援」「生活支援」の5分野において、要望と論点をまとめた。県の施策の策定と実行にあたり参考にして頂きたい。

 新型コロナウイルスの早期の完全終息を心から願う。

 

 

 

 

          令和2年6月1日

いわて新政会

                                                                                     代表 工藤 大輔

                                                                         中平 均

                                                             小野 共

                                                      高橋 但馬

                                                吉田 敬子

                                                          佐々木 

                                                                         田村 勝則

                                                                         千葉 盛

 

 

1.財政措置

・新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金及び新型コロナウイルス感染症緊急包括

支援交付金の残額について、早期に計画を作成し、事業化を行うこと。

 

・国の予算化を待たずに新型コロナウイルス感染症対策に当たれるよう財政対策3基金の取り崩しや、令和2年度当初予算のうち、新型コロナウイルスの影響により事業が出来なくなったものを洗い出し、予算を組み換えるなど、あらゆる手段を用いて財源を確保すること。

 

・新型コロナウイルス対策を講じるにあたっては、県が基本的な事業化の方針を示し、市町村がそれに合わせて補助的に事業を立ち上げられるよう事前のすり合わせや情報共有を行うこと。

 

・財政規模の小さい自治体も独自施策を講じられるように、臨時交付金の上限額を引き上げるよう自治体と連携し国に要望すること。

 

2.医療体制の充実

2次医療圏毎に整備されるPCR検査センター、発熱外来の早期開設と開設時期の公表を行うこと。軽症者用の療養施設の早期確保と公表を行うこと。

 

・現在新型コロナウイルスの相談、PCR検査、診療体制の整備については2次医療圏毎に行っているが、医療資源の乏しい医療圏についても、体制強化が図られるよう圏域を越えた応援体制についても検討すること。

 

・医療従事者や家族の感染防止のため、包括支援交付金を活用して医療従事者の宿泊施設の確保に努めること。

 

・業務を離れている潜在看護師の復帰支援を充実させること。

 

・抗体検査を実施し、新型コロナウイルスの感染状況の全容把握に努めること。その際、献血の機会を利用し、血液の確保にも寄与するような態勢を講じること。

 

・医療的ケア児について、新型コロナウイルスの影響下でも、災害時電源が失われた状況下での病院の受け入れ等必要な支援が行われるよう特段の配慮を行うこと。親が陽性者、濃厚接触者となった場合、小児科での入院受け入れが行われるよう特段の配慮を行うこと。

 

・新型コロナウイルスの影響下でも、乳幼児の予防接種や乳幼児健診、母親教室などが予防対策を徹底して行われるよう特段の配慮を行うこと。

 

・妊婦のPCR検査について、希望があれば受けられるような態勢を整えること。

 

・新型コロナウイルス感染症の影響により経営が悪化している医療機関の実態を把握し、対策を講じること。

 

3.経済・雇用対策

・経済対策を講じる上では、事業者のニーズと合致するよう各団体をメンバーに入れた経済対策会議を設置すること。

 

・経済の動き出しに伴い第2波が生じないよう、製造、販売事業者と連携し改めて各世帯や事業者にマスク、アルコールの配布を行うこと。

・緊急事態宣言が解除されても、経済が元に戻るまでには長い期間を要することから、給付要件を緩和した県版持続化給付金制度を創設すること。

 

・県が創設した地域企業経営継続支援事業費(家賃)補助について、延長と要件の緩和を行うこと。

 

・無利子無担保融資制度の無利子期間、返済期間の延長、融資額の増額を行うこと。劣後ローンなど新たな資金繰り対策を講じること。

 

・雇用調整助成金の特例期間について今年度中までの制度延長を国に要望すること。

 

・新型コロナウイルス感染症の影響で解雇や雇止め、内定取り消しが県内でも発生していることから容易に行われないよう、特段の配慮を行うこと。

 

・県が事業化した前売りチケットや地元の宿応援割事業について事業者の負担なくプレミアムを付けて販売出来ること、利用者を県内、東北とすること等、要件を緩和した新制度を構築すること。

 

・経済活動の段階的な緩和に向けた行程表を策定し、県民に周知すること。

 

・東北、新潟7県の宣言について、緊急事態宣言解除後のメッセージを発信するとともに、7県内で連携した経済対策を行うこと。

 

・中止や延期が予定される修学旅行や遠足に関して、県内施設の利用や7県内での周遊を促す取り組みを行うこと。

 

・県産食材の給食への利用を促進すること。内陸、沿岸の地域を超えて利用が進むよう調整を行うこと。その他県民への利用促進を図ること。

 

・畜産に関して肥育農家と合わせて繁殖農家への支援も行うこと。

 

・住宅着工戸数の大幅な減少が見込まれることから木材の早期流通、林業、木材産業への経営支援を行うこと。

 

・新型コロナウイルスの影響で県産食材の需要が低下していることから、県産食材の市場価格動向を注視し、必要な施策を講じること。

 

・東日本大震災津波によって借り入れを起こした事業者に対して、返済期間の延長や借り換えが行われるよう特段の配慮を行うこと。

 

教育現場に対する支援

・全国的な学力の格差がこれ以上広がることのないよう、在宅学習や「オンライン授業」等の学習環境の調査、整備に早急に取り組むこと。国から予算措置がないICT環境の維持費について特段の配慮を行うこと。

 

・中総体、高総体の代替え大会に対する支援を行うこと。各種大会を含め、学校行事や部活動に関して『新しい生活様式』を取り入れるにあたり、生徒の負担が増加しないよう特段の配慮を行うこと。

 

5、生活支援

・本県出身及び県内の大学、専門学校などに通う学生が、学業を続けられるよう国の支援に合わせた県独自の定額給付などの支援策を講じること。本県出身及び県内の大学に通う医大生の実態を調査し、必要な支援策を講じること。

 

・収入の大幅な減少があったものに対する相談体制の強化を行うとともに、各種支援制度について県民に分かりやすく周知すること。

 

・県外の方や医療従事者、店舗事業者、県民同士によるコロナ差別が行われないよう県民に対してわかりやすいメッセージを発すること。

 

・感染への不安や、経済的な先行きの不安からDVや虐待が起きないよう県民のメンタルヘルスに配慮した施策を行うこと。

 

・妊産婦、ひとり親家庭、医療的ケア児を抱える世帯に感染予防、罹患後対応、経済的支援の観点から特段の配慮を行うこと。

 

・災害に備えるため、県と自治体が協力して『新しい生活様式』にのっとった避難体制、避難所運営の構築に向けて取り組むこと。