本日、政治塾新時代いわてとして政策提言を行いました。内容は下記の通りです。
新型コロナウィルスに関する経済対策についての緊急提言
「政治塾新時代いわて」では、新型コロナウィルスが岩手県内の経済に与える影響を調査し、その影響をカバーするために必要な対策を検討するべく、3月14日に県内の各種業界団体等と緊急の意見交換会を開催しました。
出席者からは、東日本大震災時を上回る経済的な打撃があるとの悲痛な声も上がり、雇用の維持や事業の継続に差し迫った危険が生じていることを強く認識しました。
私たちは、新型コロナウィルスへの感染拡大を防ぎつつ、地域経済の立て直しを早期に図るために、下記の提言内容を速やかに実施することが必要であると考えます。
関係各位のご理解とご協力をお願い申し上げますとともに、私たちも提言の早期実現に向けて全力で活動することをお誓いいたします。
記
1 融資以外の方法による資金繰り支援
県内においては東日本大震災、昨年の台風被害等ですでに融資を受け、二重、三重の債
務負担になる事業者も多く、さらに融資を受けると「コロナ」収束後の事業継続が厳しくなる。そこで、融資以外の方法による資金繰り支援として、以下を実施すべきである。
1 既存借入金の返済猶予
2 3月の消費税予定納税の免除
3 4月の固定資産税納税の延期
4 社会保険料の事業主負担分の納付時期の延期、免除
5 公共料金の納付時期の延期、免除
6 経産省の生産性革命推進事業にかかる補助金を、事業者の納入先などに前払い
2 融資の円滑化による資金繰り支援
「コロナ」の影響による業績悪化等によりやむを得ず融資を受ける場合、民間金融機関、
政府系金融機関を問わず必要な金額を円滑に調達できるよう、以下を実施すべきである。
1 既存債務の返済猶予を受けた事業者が新規融資を受けやすいよう、金融機関内の格付け見直しを停止
2 セーフティネット保証や危機関連保証付きの融資が円滑に行われるよう、これらの保証業務に関して信用保証協会に生じた損失は政府が全額補填
3 政策金融公庫の無利子・無担保融資の利用限度額につき、中小事業と国民事業の格差を撤廃
4 制度融資の窓口を一本化して人員を増やし、手続きも極力簡素化
5 危機対応業務の指定金融機関を政府系以外の地域金融機関に拡大
3 想定外の損失を補い、需要を回復するための支援
県内は感染者がゼロであったにもかかわらず、政府がイベント自粛や小中高等の休校を
全国的に要請したことにより、想定外の損失を被った事業者も多い。また、人口減少や復興事業のピークアウトもあり、「コロナ」収束後も需要が回復するか不透明であることから、以下を実施すべきである。
1 首相の要請があった直後の3月1日から3月末までの間に売上げが大幅に落ち込んだ事業者に対し、減収額に見合う営業利益相当額を補償
2 万一の感染者拡大に備えた医療体制を整備し、行事等の開催方法に関するガイドラインを示した上で、県内の「自粛」見直しを宣言
3 上記宣言後、県内で利用可能な交通費・宿泊費・飲食費等の割引券を各世帯に支給
4 上記宣言後、一世帯当たりの6か月分の平均消費税支出額(10万円程度)を給付
4 その他、事業や雇用の維持のための支援
県内では従前から経営者の高齢化や従業員の不足などにより廃業を検討していた事業
者も多い。事業継続を支援し、雇用の受け皿を確保するために以下を実施すべきである。
1 北海道で適用中の雇用調整助成金の特例措置を全国に拡大
2 従業員の業務に必要なマスク・消毒薬等の支給
3 「コロナ」収束後、延期になった各種行事が時間的・場所的に集中開催されることを回避
4 「コロナ」収束後の半年間、中小企業の残業時間規制を緩和
5 建設工事等の遅延により工事代金の入金が遅れた下請け先などを支援する元請け企業に助成金を支給
6 雇用の維持・創出に貢献するNPOの活動を支援
7 「コロナ」の影響で廃業した事業者の従業員につき、優先的に再就職先をあっせん