フィリピンの森で新種の巨大トカゲ、主食は果物
ブラウン氏は、電話インタビューで「(今回発見されたトカゲは)森で生活しており、肉を大量に食べるコモドオオトカゲ(コモドドラゴン)ほど大きくは成 長しないだろう」と説明。「最大の特徴は、大量の新鮮な果物を食べることだ」と述べた。
運転と携帯を同時にこなす人は稀に存在
携帯電話をかけるなど別のことをしながら運転すると、ほとんどの人がうまく運転できないことは、既に多くの研究で明らかになっている。その一方で、複数
の作業を同時に行っても、いつもと同じか、いつもよりうまく作業をこなせる“超人的”な能力の持ち主が少数ながら存在することが新しい研究で判明した。
研究によれば、このような“スーパータスカー”は約40人に1人の割合で存在するという。この発見により、複数の情報の流れを人間の脳がどのように処理 するのかにについての新しい研究が数多く展開する可能性がある。
スーパータスカーの存在は「一見すると従来の認知理論に反しているように思える」と、研究の共著者でユタ大学の心理学者ジェイソン・ワトソン氏は話す。 これまでの理論では、人間の脳は一度に1つの作業にしか能動的に注意を向けることができないとされていた。
今回の研究で、ワトソン氏の研究チームは200人を対象に車の運転シミュレーターを使った実験を行った。被験者はまず注意をそらせるような障害を受けず に運転し、次に算数の問題を解いたり携帯電話で伝えられた言葉を覚えたりする作業を行い、次にこの2つの作業を同時に行った。
ほとんどの被験者は、運転と問題の解答の両方に同時に取り組もうとすると、どちらの作業もうまくできなくなった。しかし、被験者のうち5人は携帯電話を 使いながら何の問題もなく運転できた。そのうち2人は運転しながらの方が数学の問題をうまく解くことができた。
「スーパータスカーが存在するかもしれないということは、私にとっては目新しいものでない」と、ミシガン大学心理学部の教授で認知科学者のデイビッド・メ イヤー氏は話す。同氏は今回の研究には参加していない。
メイヤー氏の研究チームは、コンピューターが複数のプログラムを同時に実行できるのと同じように人間の脳も複数の情報を並行処理できるとする論文を 1995年に発表している。研究チームはこの時、脳が複数の作業を効率的に行うことは絶対にできないとする主張を「信じがたい」と評した。
また、研究チームが1990年代に行った研究では、一定の条件下で複数の作業を行っている場合と1つの作業を行っている場合とで反応の速さに違いがない 被験者が存在したことが確認されている。
今回の研究の共著者であるワトソン氏が次に研究したいと考えているのは、スーパータスカーがどのように思考しているのか、ほかにどのような作業をうまく こなせるのかということだ。同氏は現在、戦闘機のパイロットの脳を研究する計画を立てている。この研究は、複数の作業を同時にこなす非常に高い能力が求め られる職業をスーパータスカーは自ら選択しているという仮説に基づいている。また、料理人、オーケストラの指揮者、テレビ局のプロデューサーも研究対象に しようと考えている。
ただしワトソン氏もメイヤー氏も、携帯電話を使いながら車を運転することを正当化するために研究結果を利用しないよう警告している。そもそも、どの研究 も研究室の中という単純化された条件下で行われており、実生活での車の運転に関わる問題を網羅したものではないとメイヤー氏は説明する。
「複数の作業を同時に行うことが難しいのか簡単なのか、どのような場合にそうなるのか、どの程度そうなのかは、実際に行う作業の種類と、その作業に取り組 むための戦略によって変わる」。
ワトソン氏も、自分をスーパータスカーだと“自己診断”して運転中に危険を冒すようなことは絶対にしてはならないと注意を促す。「多くの人が自分は例外 だと思いたがるものだが、その考えが正しいことはまずない」。
研究によれば、このような“スーパータスカー”は約40人に1人の割合で存在するという。この発見により、複数の情報の流れを人間の脳がどのように処理 するのかにについての新しい研究が数多く展開する可能性がある。
スーパータスカーの存在は「一見すると従来の認知理論に反しているように思える」と、研究の共著者でユタ大学の心理学者ジェイソン・ワトソン氏は話す。 これまでの理論では、人間の脳は一度に1つの作業にしか能動的に注意を向けることができないとされていた。
今回の研究で、ワトソン氏の研究チームは200人を対象に車の運転シミュレーターを使った実験を行った。被験者はまず注意をそらせるような障害を受けず に運転し、次に算数の問題を解いたり携帯電話で伝えられた言葉を覚えたりする作業を行い、次にこの2つの作業を同時に行った。
ほとんどの被験者は、運転と問題の解答の両方に同時に取り組もうとすると、どちらの作業もうまくできなくなった。しかし、被験者のうち5人は携帯電話を 使いながら何の問題もなく運転できた。そのうち2人は運転しながらの方が数学の問題をうまく解くことができた。
「スーパータスカーが存在するかもしれないということは、私にとっては目新しいものでない」と、ミシガン大学心理学部の教授で認知科学者のデイビッド・メ イヤー氏は話す。同氏は今回の研究には参加していない。
メイヤー氏の研究チームは、コンピューターが複数のプログラムを同時に実行できるのと同じように人間の脳も複数の情報を並行処理できるとする論文を 1995年に発表している。研究チームはこの時、脳が複数の作業を効率的に行うことは絶対にできないとする主張を「信じがたい」と評した。
また、研究チームが1990年代に行った研究では、一定の条件下で複数の作業を行っている場合と1つの作業を行っている場合とで反応の速さに違いがない 被験者が存在したことが確認されている。
今回の研究の共著者であるワトソン氏が次に研究したいと考えているのは、スーパータスカーがどのように思考しているのか、ほかにどのような作業をうまく こなせるのかということだ。同氏は現在、戦闘機のパイロットの脳を研究する計画を立てている。この研究は、複数の作業を同時にこなす非常に高い能力が求め られる職業をスーパータスカーは自ら選択しているという仮説に基づいている。また、料理人、オーケストラの指揮者、テレビ局のプロデューサーも研究対象に しようと考えている。
ただしワトソン氏もメイヤー氏も、携帯電話を使いながら車を運転することを正当化するために研究結果を利用しないよう警告している。そもそも、どの研究 も研究室の中という単純化された条件下で行われており、実生活での車の運転に関わる問題を網羅したものではないとメイヤー氏は説明する。
「複数の作業を同時に行うことが難しいのか簡単なのか、どのような場合にそうなるのか、どの程度そうなのかは、実際に行う作業の種類と、その作業に取り組 むための戦略によって変わる」。
ワトソン氏も、自分をスーパータスカーだと“自己診断”して運転中に危険を冒すようなことは絶対にしてはならないと注意を促す。「多くの人が自分は例外 だと思いたがるものだが、その考えが正しいことはまずない」。
驚くほど効く「心のギアチェンジ」~前向きな脳をつくる「かもの法則」
■「かも」を変えれば未来は変わる
「リストラされるかも」「給料が減るかも」……不況の中、そんな不吉な予感が頭をかすめる、という人も多いのではないでしょうか。
こうした否定的な「かも」に囚われると、人はどんどん悲観的になってしまいます。そして、自分の仕事がうまくいかないことを、自分以外の誰かや環境のせ いにしてしまう。「小泉改革のせいだ」「無能な上司のせいだ」などと責任を転嫁して、自分を守ろうとするのです。
そんな「他責」の思考習慣が、現状を変革できないビジネスマンの特徴といえるでしょう。
恐ろしいことに、誰かを責めることで自分を守っていると、不安や不満などのマイナスの感情に脳が支配され、前向きな努力を放棄してしまう。そして、悪い 予感が現実のものになってしまうのです。
その一方で、「こういうときこそ、自分が活躍できるチャンスかも」と、悪条件を肯定的に捉えようとする人もいます。
そういう人は、「ダメかも」「うまくいかないかも」ではなく、「成功するかも」「できるかも」という肯定的な「かも」によって自分をコントロールして、 幸せをつかむ。
要するに、「かも」の違いで未来は変わるということ。それを私は、「かもの法則」と名付けています。
人間は、自分の将来について「肯定的な錯覚をしている人」「否定的な錯覚をしている人」に二分されます。肯定的な錯覚をする人は、言うまでもなく、肯定 的な「かも」で発想するタイプです。
長年にわたって、経営者やビジネスマンの能力開発に携わってきた経験から言うと、一代で上場企業をつくったような成功者は、ほぼ例外なく肯定的な錯覚を しています。
常識的に考えれば無理だと思うようなことも、「俺ならできる」と思い込んで、本当に実現してしまう。失敗を失敗と思わない、言い換えれば、ただの“ア ホ”ですが、こういう人に責任転嫁という発想はありません。
ですが、そんな成功者はほんの一握り。世の99%の人は「他責」の思考習慣や否定的な錯覚に陥って、結果的にイメージした通りの自分になってしまう。つ まり能力開発とは、いかにして肯定的錯覚、肯定的な「かも」を脳に植えつけるか、に尽きるのです。
■“感情脳”が人を動かす
従来の能力開発理論は、イメージと思考を中心に組み立てられてきました。イメージや思考を司るのは「大脳新皮質」にある右脳と左脳ですが、私はその内側 にある「大脳辺縁系」、いわゆる“感情脳”に着目したアプローチを行っています。
イメージや思考という理屈だけでは心をコントロールできない。より深いところにある“感情脳”が人を動かすのです。
肯定的錯覚を続けるためには、常に前向きの予感、肯定的な「かも」で心を満たして、“感情脳”を傷つけないこと。感情脳が「快」の状態なら、自然とプラ ス思考ができるようになるのです。
近年、うつ病のビジネスマンや自殺者が増えていますが、否定的な思考習慣に縛られている人は、肯定的な錯覚ができるよう、頭を切り替えてほしいと思いま す。
でも、どうしてもマイナス思考から抜け出せない、他人を責めることでしか自分を守れないという人もいるかもしれません。
そういう人は、とりあえずマイナス思考はそのままにして、プラスのイメージ、プラスの感情を持つよう心がけてください。そうすれば、プラス思考はあとか らついてくるはずです。
たとえば、毎日遅くまで飲み歩いている私に対し、妻は烈火のごとく怒ります。まさに鬼のような形相なのですが、「うるさいな、この鬼ババア!」というマ イナスの感情を持つと、「どうしてこんな女と結婚したんだ」とマイナス思考に陥ってしまう。でも、「亭主の健康をこんなに心配してくれるなんてありがたい なぁ」と感謝すれば、「妻はとてもいい人だ」という肯定的錯覚が生まれるのです(笑)。
否定的なことを考えたり、口に出したときは、肯定的な記憶データに塗り替えておくことも重要です。
危機的な状況に置かれても、誰かを責めるのではなく、「これは私を強くするチャンス。神様からのプレゼントかも」と肯定的に捉える。すると、“感情脳” が「不快」から「快」へと切り替わるのです。眠っている間に、否定的な記憶が脳に固定化されないよう、寝る前に「記憶の塗り替え」を行うことをお勧めしま す。
また、肯定的な自己暗示をかける方法もあります。
嫌なことがあったときに「なし!」と言ってパチンと指を鳴らす、「俺は人とは違う。だからこんなことでは腹を立てない」と口に出す──そんな決めごとを つくっておいて、マイナスの感情を忘れるきっかけにする。
私は、毎朝、目覚めたときに、「俺はツイてる!」と言うようにしています。根拠なんてなくても大丈夫。言葉にすることで、“感情脳”を「快」の状態にす ることが重要なのです。
苦手な人と接するとき、自分の好きなものを重ねてイメージする方法も、意外なほど効果があります。
私も、会社勤めをしていた頃、大嫌いな上司の頭の上に、好物の松茸が生えている姿をイメージして、「松茸上司」と心の中でおもしろがっていました。そう すれば、「嫌だなぁ」というマイナスの感情が消える。「そんなバカな!」と思う人は一度試してみてください。
■金メダルをつかんだ「他喜力」の強さとは
ここまで、責任転嫁をしないために、物事を肯定的に捉える方法について説明してきましたが、もうひとつ大事なことがあります。
それは、いつも「他人の幸せを考える」こと。
肯定的な思考習慣が身についている人は、「会社のため、家族のためにがんばる」といった「使命感」を持っています。そして、周囲への感謝の気持ちを忘れ ません。
他人を幸せにする、人を喜ばせようとする能力を、私は「他喜力」と呼んでいます。
自分を幸せにするためだけの努力は燃え尽きますが、他人を幸せにするためなら、いくらでもがんばれる。「かもの法則」で言えば、家族や同僚の喜ぶ顔をイ メージすることが「できるかも」につながり、人生にツキをもたらすのです。
企業には、「(1)言われたこともしない人」「(2)言われたことをする人」「(3)言われたこと以上のことをする人」の3種類の人間がいます。まず、 「(1)言われたこともしない人」は、言い訳をして自己防衛をする。そして間違いなく「他責」の思考をします。「(2)言われたことをする人」も、悪く言 うと言われたことしかしない。なので環境が悪くなったり、追い込まれたりすると、自分を正当化するために責任転嫁をしてしまいます。
ですが、「(3)言われたこと以上のことをする人」は、他人に責任を転嫁しません。指示されていないことまでやるのは「他喜力」であり、積極的自己犠牲 です。
会社の前に落ちているゴミを拾うとか、そんな些細なことで十分です。「周囲の人を幸せにしたい」と思うからこそ、自己犠牲が負担にならず、それを楽しい と思えるのです。
この「他喜力」は、特にチームプレーで力を発揮します。私はスポーツ選手のメンタルトレーニングも担当していますが、北京オリンピックで金メダルを獲得 した女子ソフトボールチームにも、「他喜力」を植えつけるためのトレーニングをしてもらいました。
その方法は、恩人を訪ねて感謝の気持ちを伝えること。上野選手は、お亡くなりになった高校時代の恩師のお宅を訪ね、仏壇に手を合わせたそうです。
釈迦の教えを基にした手法ですが、脳科学的に考えても非常に理に適っている。脳は入力と出力で成り立っているので、単に「ありがたい」と思うだけではな く、行動という形で出力しなければ強化されないのです。
一見、人のための行動のようですが、実は自分のためになる。周囲の人によって自分が生かされていることに気づくことで、すべてに感謝する気持ちが生ま れ、積極的な自己犠牲ができるようになる。それが自分を信じる強さにつながり、あなたを成功へと導くのです。
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西田文郎
1949年生まれ、サンリ能力開発研究所代表。ビジネス界、スポーツ界におけるイメージトレーニングの第一人者。北京オリンピックでは女子ソフトボールの 金メダル獲得をサポートした。
「リストラされるかも」「給料が減るかも」……不況の中、そんな不吉な予感が頭をかすめる、という人も多いのではないでしょうか。
こうした否定的な「かも」に囚われると、人はどんどん悲観的になってしまいます。そして、自分の仕事がうまくいかないことを、自分以外の誰かや環境のせ いにしてしまう。「小泉改革のせいだ」「無能な上司のせいだ」などと責任を転嫁して、自分を守ろうとするのです。
そんな「他責」の思考習慣が、現状を変革できないビジネスマンの特徴といえるでしょう。
恐ろしいことに、誰かを責めることで自分を守っていると、不安や不満などのマイナスの感情に脳が支配され、前向きな努力を放棄してしまう。そして、悪い 予感が現実のものになってしまうのです。
その一方で、「こういうときこそ、自分が活躍できるチャンスかも」と、悪条件を肯定的に捉えようとする人もいます。
そういう人は、「ダメかも」「うまくいかないかも」ではなく、「成功するかも」「できるかも」という肯定的な「かも」によって自分をコントロールして、 幸せをつかむ。
要するに、「かも」の違いで未来は変わるということ。それを私は、「かもの法則」と名付けています。
人間は、自分の将来について「肯定的な錯覚をしている人」「否定的な錯覚をしている人」に二分されます。肯定的な錯覚をする人は、言うまでもなく、肯定 的な「かも」で発想するタイプです。
長年にわたって、経営者やビジネスマンの能力開発に携わってきた経験から言うと、一代で上場企業をつくったような成功者は、ほぼ例外なく肯定的な錯覚を しています。
常識的に考えれば無理だと思うようなことも、「俺ならできる」と思い込んで、本当に実現してしまう。失敗を失敗と思わない、言い換えれば、ただの“ア ホ”ですが、こういう人に責任転嫁という発想はありません。
ですが、そんな成功者はほんの一握り。世の99%の人は「他責」の思考習慣や否定的な錯覚に陥って、結果的にイメージした通りの自分になってしまう。つ まり能力開発とは、いかにして肯定的錯覚、肯定的な「かも」を脳に植えつけるか、に尽きるのです。
■“感情脳”が人を動かす
従来の能力開発理論は、イメージと思考を中心に組み立てられてきました。イメージや思考を司るのは「大脳新皮質」にある右脳と左脳ですが、私はその内側 にある「大脳辺縁系」、いわゆる“感情脳”に着目したアプローチを行っています。
イメージや思考という理屈だけでは心をコントロールできない。より深いところにある“感情脳”が人を動かすのです。
肯定的錯覚を続けるためには、常に前向きの予感、肯定的な「かも」で心を満たして、“感情脳”を傷つけないこと。感情脳が「快」の状態なら、自然とプラ ス思考ができるようになるのです。
近年、うつ病のビジネスマンや自殺者が増えていますが、否定的な思考習慣に縛られている人は、肯定的な錯覚ができるよう、頭を切り替えてほしいと思いま す。
でも、どうしてもマイナス思考から抜け出せない、他人を責めることでしか自分を守れないという人もいるかもしれません。
そういう人は、とりあえずマイナス思考はそのままにして、プラスのイメージ、プラスの感情を持つよう心がけてください。そうすれば、プラス思考はあとか らついてくるはずです。
たとえば、毎日遅くまで飲み歩いている私に対し、妻は烈火のごとく怒ります。まさに鬼のような形相なのですが、「うるさいな、この鬼ババア!」というマ イナスの感情を持つと、「どうしてこんな女と結婚したんだ」とマイナス思考に陥ってしまう。でも、「亭主の健康をこんなに心配してくれるなんてありがたい なぁ」と感謝すれば、「妻はとてもいい人だ」という肯定的錯覚が生まれるのです(笑)。
否定的なことを考えたり、口に出したときは、肯定的な記憶データに塗り替えておくことも重要です。
危機的な状況に置かれても、誰かを責めるのではなく、「これは私を強くするチャンス。神様からのプレゼントかも」と肯定的に捉える。すると、“感情脳” が「不快」から「快」へと切り替わるのです。眠っている間に、否定的な記憶が脳に固定化されないよう、寝る前に「記憶の塗り替え」を行うことをお勧めしま す。
また、肯定的な自己暗示をかける方法もあります。
嫌なことがあったときに「なし!」と言ってパチンと指を鳴らす、「俺は人とは違う。だからこんなことでは腹を立てない」と口に出す──そんな決めごとを つくっておいて、マイナスの感情を忘れるきっかけにする。
私は、毎朝、目覚めたときに、「俺はツイてる!」と言うようにしています。根拠なんてなくても大丈夫。言葉にすることで、“感情脳”を「快」の状態にす ることが重要なのです。
苦手な人と接するとき、自分の好きなものを重ねてイメージする方法も、意外なほど効果があります。
私も、会社勤めをしていた頃、大嫌いな上司の頭の上に、好物の松茸が生えている姿をイメージして、「松茸上司」と心の中でおもしろがっていました。そう すれば、「嫌だなぁ」というマイナスの感情が消える。「そんなバカな!」と思う人は一度試してみてください。
■金メダルをつかんだ「他喜力」の強さとは
ここまで、責任転嫁をしないために、物事を肯定的に捉える方法について説明してきましたが、もうひとつ大事なことがあります。
それは、いつも「他人の幸せを考える」こと。
肯定的な思考習慣が身についている人は、「会社のため、家族のためにがんばる」といった「使命感」を持っています。そして、周囲への感謝の気持ちを忘れ ません。
他人を幸せにする、人を喜ばせようとする能力を、私は「他喜力」と呼んでいます。
自分を幸せにするためだけの努力は燃え尽きますが、他人を幸せにするためなら、いくらでもがんばれる。「かもの法則」で言えば、家族や同僚の喜ぶ顔をイ メージすることが「できるかも」につながり、人生にツキをもたらすのです。
企業には、「(1)言われたこともしない人」「(2)言われたことをする人」「(3)言われたこと以上のことをする人」の3種類の人間がいます。まず、 「(1)言われたこともしない人」は、言い訳をして自己防衛をする。そして間違いなく「他責」の思考をします。「(2)言われたことをする人」も、悪く言 うと言われたことしかしない。なので環境が悪くなったり、追い込まれたりすると、自分を正当化するために責任転嫁をしてしまいます。
ですが、「(3)言われたこと以上のことをする人」は、他人に責任を転嫁しません。指示されていないことまでやるのは「他喜力」であり、積極的自己犠牲 です。
会社の前に落ちているゴミを拾うとか、そんな些細なことで十分です。「周囲の人を幸せにしたい」と思うからこそ、自己犠牲が負担にならず、それを楽しい と思えるのです。
この「他喜力」は、特にチームプレーで力を発揮します。私はスポーツ選手のメンタルトレーニングも担当していますが、北京オリンピックで金メダルを獲得 した女子ソフトボールチームにも、「他喜力」を植えつけるためのトレーニングをしてもらいました。
その方法は、恩人を訪ねて感謝の気持ちを伝えること。上野選手は、お亡くなりになった高校時代の恩師のお宅を訪ね、仏壇に手を合わせたそうです。
釈迦の教えを基にした手法ですが、脳科学的に考えても非常に理に適っている。脳は入力と出力で成り立っているので、単に「ありがたい」と思うだけではな く、行動という形で出力しなければ強化されないのです。
一見、人のための行動のようですが、実は自分のためになる。周囲の人によって自分が生かされていることに気づくことで、すべてに感謝する気持ちが生ま れ、積極的な自己犠牲ができるようになる。それが自分を信じる強さにつながり、あなたを成功へと導くのです。
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西田文郎
1949年生まれ、サンリ能力開発研究所代表。ビジネス界、スポーツ界におけるイメージトレーニングの第一人者。北京オリンピックでは女子ソフトボールの 金メダル獲得をサポートした。
