DELIAが目指すブロックチェーンで創る「分散型エネルギーの経済圏」とは何か――代表・中村氏に聞く (1/3)
DELIAとは
和田憲一郎氏(以下、和田氏) これまで取り組まれてきた太陽光発電や燃料電池などの分散型エネルギーの企画開発にとどまらず、最近、また難しいことを始められたそうですね。それについて教えてください。
中村良道氏(以下、中村氏) 私がやろうとしているのは、分散型台帳、つまりブロックチェーンの活用です。この技術をエネルギー分野に活用して、分散型エネルギーの経済圏を創る、つまりビジネスとしてどう使っていくかを考えようと。かなり難易度は高いです。
ブロックチェーンの活用方法についてですが、これには1つの情報から、電力取引、環境価値の取り引き、地域内の高速同期制御、VPP(バーチャルパワープラント)との接続など多くの広がりを持たせたいと思っています。意味あるデータをトランザクションとしてパックして、ビジネスへ活用できたら良いなと。
私自身、ソフトウェア作った経験は多少あるものの、改めて15年振りに専門書をたくさん購入して、プログラミングを約2年間徹底的に勉強し直しました。やはり自分でできないと話になりません。また、肩書よりも、自分で何をしているかが大切と思い、自ら「分散エネルギー推進プロデューサー」と名乗っています。
和田氏 それがDELIAの設立につながるのですね。なぜDELIAを作ろうと思ったのか、より詳しくその背景や目的を教えてください。
中村氏 DELIAとは、「Distributed Energy Leader Infrastructure Alliance」の頭文字を取ったもので、日本語では「ブロックチェーンによる分散型エネルギー情報基盤アライアンス」と表します。DELIAでは2つの仕組みを作ろうと考えました。ETP(Energy Transfer Proof)とJWATです。ETPとは、電力の移動証明を意味します。分散エネルギーの電力の移動証明をリアルタイムに追いかけて、記録する役割を担います。一方、JWATは設備投資の運営や決済に使う通貨の役割を果たします。そしてこの物理界(ETP)と経済界(JWAT)を結ぶ仮想環境を構築し、事業化していこうとしているのがDELIAなんです。