立川断層 2 | 武蔵野台地調査隊

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武蔵野台地の湧水と北アルプス中心の登山日記です


熊本地方を襲った大地震ですが、その震源の一つとなった日奈久断層は、全国の活断層中、30年地震発生確率が最も高いと評価されていたと報道がありました。後出しジャンケンの気もしますが、そんな評価もあったようです。
では、私たちのご近所の立川断層はどうなんでしょう。

https://ameblo.jp/taiyo1964k/entry-12490960571.html?frm=theme

前回立川断層の記事を書いたのは東日本大震災の数年前でした。
首都圏の活断層という事で注目された立川断層に関しては、国が中心になりトレンチ調査などを精力的に実施していました。トレンチ調査とは、断層面に沿って地盤に深い溝を掘り、過去の断層活動を探るものです。当時の評価としては、これまでの活動周期からして切迫性が低い断層と評価されていたかと思います。

ところがその後、東日本大震災が起こり、地震によりプレートがずれた反動で地震後に日本列島が徐々に東に引っ張られる動きがあり、このため内陸部の断層が動きやすくなったとの説が浮上しました。
以下のリンクは首都大学東京の先生の資料です。かなり学術的ですが資料の後半にある想定震度などは興味深いです。うわっ、うちらは震度6やんけ!これは平成23年の資料です。


https://www.tama-100.or.jp/cmsfiles/contents/0000000/6/H23.sympisium(yamasaki).pdf

一方、朗報もあります。さらに新しい、平成27年の東大地震研究所の先生が立川市で講演した内容によると、立川市には立川断層が達しておらず、活動も休止状態にあるのだそうです。立川に達してないなら名前もかえなきゃとなっているとか。


https://www.city.tachikawa.lg.jp/koho/shise/koho/kohotachikawa/h27/documents/062502.pdf

さて、どちらを信じるべきか?答えはありません。分からないから備えだけはしっかりとして、あまり心配するのはやめにしようかと。非常時の態勢はとりましょう。備えよ常に
ですな。

2024.1.13追記
平成27年に東大地震研は3年を掛けた調査の結果、立川市には断層が分布していないという結論を出し、立川断層を箱根ヶ崎断層と称しています。しかしながら府中市や小平市のHPではいまだに立川断層と記載されています。また、政府の地震本部の記事も今だに平成11年の発生危険度の評価が掲載されており文科省による上記の平成27年の調査結果が反映されていないようです。