orange days#12(金沢参戦)

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不安いっぱいで行われたこの試合。
まさかこんなドラマが!

 ホーム最終戦で歓喜のドラマが待っていた。この1年間、目標としてきたJ2優勝は、大勢のファン・サポーターの前でかなえられた。先に試合を終えた2位の磐田が横浜FCと引分け、勝てば優勝が決まるという状況でキックオフを迎えたが、試合は先に2点を失う苦しい展開となった。しかし後半、ムルジャの2得点と家長が決めたPKで大逆転。5分という長いアディショナルタイムは全員が走力を惜しまずに守備で体を張り、3-2というスコアで勝利。ホイッスルと同時に控え選手が一斉にピッチへなだれ込み、スタンドの観客も一斉に立ち上がった。

 2得点とPK獲得で大きく勝利に貢献したムルジャは、「2点目を決めて同点に追いついたとき、スタジアム全体から背中を押すようなすごい力を感じた。目標を達成できて、本当にうれしい。約1年前の12月6日に、このスタジアムでJ1からの降格が決まり、私たちもファン・サポーターのみんなも泣いていた。でも、あのときの悲しみよりも、今日のうれしさの方がはるかに大きな力を感じる!」と喜んだ。

 試合は、ドラマチックなストーリーとなった。前半は、立ち上がりに家長がファーストシュートを放ち、7分には左コーナーキックから清水慎がヘディングシュートを狙うなど攻勢に出た。しかし、大分がロングボールを多用したこともあり、落ち着いた展開に持ち込むことはできず、逆にクロスからの攻撃でピンチにさらされる場面もあった。そして後半開始早々に、ピッチには信じがたい光景が広がった。49分、大分の松本昌が左サイドからワンツーで抜け出し、カットインからシュート。加藤がきっちりと反応したが、カバーに入った大屋のクリアがオウンゴールとなってしまい、先制点を奪われた。

 しかも54分には、左コーナーキックを大分の若狭がバックヘッドでそらすと、渡部に当たって得点というアンラッキーが続いて2点差となった。渋谷監督はすぐさま泉澤を投入し、攻撃陣を活性化。59分に家長と泉澤が得意の連係で左サイドを攻略すると、大屋のシュートへとつなげて反撃の狼煙をあげた。そして69分、右サイドから渡部が上げたクロスはブロックされたが、こぼれ球を拾ったムルジャが右足でシュートを決めて1点差に追い上げた。

 さらに終盤の81分、左サイドの大屋が右足でカーブを描くシュート。クロスバー、ポストと当たってはね返ったが、ムルジャが執念で押し込んで同点に追いついた。2点差になってから攻撃参加を繰り返した大屋は、「危うく“NACKの悲劇”を起こした張本人になってしまうところだった。自分がオウンゴールをしてしまったこともあって、何とか取り返そうと思っていたし、ムルジャが決めてくれて良かった」と、安堵の表情で試合を振り返った。

 同点になってからは、スタジアム全体が逆転勝利を力強く後押しする雰囲気となり、チームも背中を押されるように猛攻を仕掛けた。そして試合終盤の87分、渡部から縦パスを受けたムルジャがゴールへ向かって突破を仕掛けると、相手に倒されてPKを獲得。ボールは家長に託された。緊張の静寂は、シュートがゴールの左隅へ鮮やかに決まるとともに爆発的な歓声に変わった。「緊張したし、いろいろなことを考えたけど、決められて良かった。大宮に関わるすべての人の気持ちは分かっていたし、ベンチには試合に出ていない仲間がいたので、そこへ走って行った」という家長を先頭に、選手は一目散にベンチへかけ寄り、チーム全体で優勝の可能性を大きく手繰り寄せた逆転を喜んだ。

 雨が降りしきる中、残り時間を過ごす思いは、選手もスタッフもファン・サポーターも同じだった。試合終了と同時に誰もが望んでいた目標を達成し、クラブ初のタイトルを獲得。シーズンはまだ最終節を残している。しかし、クラブ自体は次の目標に視線を移していくことになる。家長は「一時期は大きく離れた勝点差がここまで縮まったのは、僕らの力のなさ。でも、独走して優勝していたら勘違いされたかもしれない。この結果が僕たちの本当の力を示している。実力差のない中で優勝できたということが真実だと思うし、僕たちはもっと強くなっていかないといけない」と話した。渋谷監督も「(2004年に)2位で昇格して、今年は優勝した。もうJ2での経験は必要ない。J1でタイトルを狙いにいくクラブになることを僕自身も願っている」と、来季J1の舞台での飛躍を誓った。今日は大いに喜びを分かち合おう。その先に、また新たな夢を、未来を、みんなで追いかけられる幸せがある。

(総評:平野貴也/写真:早草紀子)

スカパー!ハイライト映像
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