東野 「先日の手でね、8ソウを切ったんだけど、どうかな?」
西田 「うーん、迷う手よね。私だったら⑧ピンかしら?」
たいそい 「序盤によくある牌姿だよな。東野はなぜ8ソウなんだ?」
東野 「なぜ・・・ですか?なんとなく、ですね。西田は?」
西田 「私はトイツ落としよ。メンツは足りているし。マンズやソウズはカンチャンがあるので、そのままって感じ」
たいそい 「東野に比べ、西田はしっかり考えてるな(笑)。じつはこの牌姿には明確な正解があるんだよ」
東野 「マジっすか。こんなカタチ、しょっちゅう迷ってますよ」
たいそい 「そう。これを瞬時に切れるなら、フリーでもまず勝ち組だな」
西田 「・・・6ソウですか?理由は・・・⑧ピン以外ならこれしかないって感じで」
たいそい 「正解!ではその理由は、次回、教授から解説してもらおうか」
萬屋教授の解説
麻雀研究を趣味としています、萬屋です。今後ともよろしくお願いします
さて、今日のテーマは「トイツ処理」です
候補としては、四マン、8ソウ、あるいは二マン、⑧ピン、6ソウあたりでしょうか。
まず前提として、「トイツは2つがもっとも効率がよい」ということを知っておきましょう。
多くの書籍やHPにて解説されていますので、細かな詳細は割愛しますが、簡単にいえば、
1トイツ ・・・ 有効牌は0 (アタマとして使用するため)
2トイツ ・・・ 有効牌は4 (シャンポン待ちと同様)
3トイツ ・・・ 有効牌は6 (シャンポンと同じ考えで)
となります。
3トイツの場合、有効牌は2トイツと比べ、2枚しか増加しません。
しかしトイツのかわりに、たとえばカンチャンを持てばどうでしょうか。
有効牌は2枚増え、8枚となります。
すなわち、2トイツは効率がいいのですが、3トイツは効率が悪いといえるのです
書籍やプロによってバラバラですが、2トイツ最強理論とか言われます。
さらに、4トイツではチートイツやトイトイにも対応でき、それを考慮すると3トイツが最も不利となりますから、3トイツ最弱理論ともいわれます。
さて、冒頭の2シャンテン、じつはトイツの何を切っても、有効枚数は同じなのです。
切った牌の受け入れが(二枚だけ)減るだけだからです。
リャンメン変化を考えた場合、
ツモ五なら
二切り … 二四五①②③③④⑤⑧⑧668
⑧切り … 二二四五①②③③④⑤⑧668
6切り … 二二四五①②③③④⑤⑧⑧68
(なにを切るかにもよりますが)
まあ似たりよったりですね。受入れ枚数も同じです
では、ツモ⑦ではどうか
二切り … 二四①②③③④⑤⑦⑧⑧668
⑧切り … 二二四①②③③④⑤⑦⑧668
6切り … 二二四①②③③④⑤⑦⑧⑧68
この場合、二切りでは、
二四のカンチャンが確定してしまい、反面トイツのフォローがあるのがリャンメンとかなり不安定な牌姿となります
したがって、⑧切り・6切りのほうが優れています。
この2つに差はありません。受入れは同じです。
最後にツモ5はどうか
二切り … 二四①②③③④⑤⑧⑧5668
⑧切り … 二二四①②③③④⑤⑧5668
6切り … 二二四①②③③④⑤⑧⑧568
2トイツがもっとも効率がよいというのは、最初に述べたとおりです。
上記ツモ5でリャンメン変化で、2トイツとなるのは6切りだけです
したがって、この場合は、6切りが最も優れていると言えるのです。
3トイツであるならば、切るべき優先順位は
カンチャン内側トイツ > 単独トイツ > カンチャン外側トイツ
となることがわかります。
私はこれを「カンチャン内側トイツ先切り理論」と呼んでいます。
これはリャンメン変化を期待できる牌(3・4・6・7)をトイツから1枚はずし、リャンメン変化不能牌(2・8)をトイツでフォローする打ち方です。
※なお、ヤオチュウ牌はリャンメン変化が見込めないので、優先順位は低いということになります(最後まで切らない)
また、(335や557のように)5が絡むカンチャンではどちらもリャンメン変化が見込める、
つまりどちらも内側と解釈し、上記法則にあてはめることになります(つまり、最初に切るべき)。
整理すると、もっとも優先して切るべき牌は
1 カンチャントイツの34567
2 単独トイツの34567
3 単独トイツの28
4 カンチャントイツの28
5 カンチャントイツのヤオチュウ牌
となります。
法則はご理解いただけたでしょうか。
これで、もう迷わないでしょう。
さあ、上記牌姿を再度考えてみてください
3トイツですね。
「2トイツ最強理論」により、候補は絞られます
つづいて、「カンチャン内側トイツ先切り理論」により、もっとも優先順位が高いのは6ソウです
どうですか。瞬時に6ソウまでたどり着けましたね
麻雀はフォームや打ち方をシステム化するのが一番強いといいます。
そしてそのほとんどが単純計算のもと、法則として成り立っています。
これからも、当ゼミを通じてレベルアップをはかりましょう