以蔵は、

凡(すべ)てを

曝(さら)け出した。


逆さ吊りにも

耐えた。


しかし

毒を持って

死ねと諭(さと)された。


以蔵は、凡てを吐いた。

耐えた。

信(しん)、在ればこそ。


武市先生は、死ねと謂うちょる。

儂(わし)は、謂わん。謂わんのに。


阿片(あへん)・毒饅頭は

以蔵の信念さえ溶(と)かす。


信じてもらえんかった。

儂は、死ぬ。