俺の女に触んじゃねぇ!

岩松八弥は、怒号の鋒(きっさき)を


激しく振り降ろした。

松平広忠は、絶命して居た。


仕方無いさ。

知らぬとは言え


八弥の許嫁(いいなづけ)へ

手を出して仕舞ったんだ。


男と女の情炎(じょうえん)は

怖いぜ。


俺の女に触んじゃねぇ!


本気(マジ)の男に

遊びの男が、打った斬られた(ブッたギられた)迄の話しさ。


男と女に

地位や名声、主従の関係なんてね、

無いも同然さ。


感情(emotion)がね、

どうにも煮え滾(たぎ)って


人格が壊れちゃった迄さ。


あんまりね、

遊びにて


女には手を出さない事だぜ。