大分県で育った幼い頃、庭にあったおぼろ月に
「花なのに枯れないな、不気味な花だな」
と思っていました。
近所にハナちゃんという親友がいました。
ハナちゃんは古びた家に暮らし
お風呂は畑の真ん中にありました。
暑い大分の盆地、夏はそれはそれは暑く
ハナちゃんは何でも凍らせて私にご馳走してくれました。
バナナなんかは美味しかったのですが
真っ赤ななスイカを凍らせて「食べてみ~」というハナちゃん。
スイカは硬く「こりゃ、いけんわ」とハナちゃんスイカに歯が立たず。
失敗もありました。
綺麗とは言えないの家の入り口にハナちゃん自慢の不思議な植物がありました。
それは今思えばグリーンネックレス
軒に吊るしたグリーンネックレスは長く美しく伸びていました。
「育ててみ、置いとくだけでいいんで」
ハナちゃん自慢の謎の植物
帰って大事に枕元に置きました。 日に日に弱っていく
グリーンネックレス
しまいには枯れてしまい、その事をハナちゃんに話せ
ないまま父の転勤で埼玉に来ました。
ハナちゃんはある日、うちのじいちゃんがデイサービ
スに一緒に行こうと誘いに行くと一人、布団の中で亡
くなっていたそうです。
枕元には置かなくなりましたが
私は未だにグリーンネックレスをハナちゃんのように
上手く育てられません。
ハナちゃんのように腰が曲がるほど畑に出て休まず働
き、帰って来ない娘息子の愚痴は言わず、一人きりで
暮らせたらでしょうか?
ハナちゃんは友達のいない私の親友でした。
グリーンネックレスを見ていたらそんなことを思い出
しました。
あの大人は凄い人だったと気づくのは大人になってか
らなのかもしれませんね。
小さい頃に家族で行っていた宮崎のサボテン公園も今
は閉園しました。
こんな感じでした!
懐かしいなぁ。
きっと急に多肉を好きになったんじゃなくて、来るべき時が来て多肉を好きになったんだなと思います。
グリーンネックレスを見てハナちゃんとのやり取りを思い出しました。
皆、もしかしたら大人になってから好きになるものって
何かしらの過去のエピソードがあるかもしれませんよね。
ハナちゃんにグリーンネックレスの育てるコツを聞けるのは死んでからかぁ。
あの世にもグリーンネックレスあればいいなぁ


