高〇さち子さんを、
御存じであろうか。
あの有名な俳優、
高嶋兄弟と従兄弟であり、
バラエティに出れば、
歯に衣着せぬ物言いで引っ張りだこ。
それでいて、
ひとたびバイオリンを弾けば、
ホールの客席を埋めることもできるという。
まことに、
多才な方である。
さて、
前置きが長くなった。
少し前のことである。
ユミコという子が、
モデルのようなスタイルである、
という話を聞いた。
私は、
その話を聞きつけるや、
早速その店へ向かった。
店に着くと、
ちょうど先客が出てくるところであった。
悪口を言うつもりはない。
ただ、その男は、
長く冷蔵庫の奥に忘れられていた
萎びた茄子の漬物のような風情をしていた。
その男を見送っていたのが、
あのユミコであった。
想像していたよりは、
少し年齢が上に見えた。
しかし、
たしかにスタイルは良かった。
なるほど、
噂というものも、
まるきり嘘ばかりではないらしい。
私は、
いささか品のない希望を胸に抱きながら、
ベルを鳴らした。
すると、
出てきたのはユミコではなかった。
冒頭に述べた、
高〇さち子さんを少し若くして、
少しふくよかにしたような女であった。
名前は、
ミオと言った。
愛嬌はあった。
マッサージも、
悪くなかった。
乳は垂れ気味であったが、
まあ、
大きかった。
そこまではよい。
いや、
よいと言うより、
悪くはなかった。
施術が始まり、
少しすると、
別の客が現れた。
もちろん、
その客にあてがわれたのは、
ユミコであった。
来るタイミングを、
完全に間違えた。
全くもって、
くじ運がなかった。
サッカー日本代表くらい、
くじ運が悪かった。
私はミオの前にいて、
ユミコは別の客の前にいる。
ただ、
それだけのことである。
それだけのことなのに、
私は少し、
損をしたような顔をしていたに違いない。
ミオが悪いのではない。
愛嬌はあった。
マッサージも悪くなかった。
乳も大きかった。
ただ、
私がユミコを目当てに来ていただけである。
誰がそう決めたわけでもない。
こちらで勝手に、
そういうつもりになっていただけである。
だから、
文句を言う筋合いはない。
文句を言う筋合いはないが、
残念ではあった。
まあ、
ミオに抱いた感想は、
そんなものである。
可もなく不可もなく。
それ以上でもなく、
それ以下でもない。
今度こそ、
ユミコにリベンジしたいものである。