(限定版なのでもう売ってませんが)

 

カズオ・イシグロさんのノーベル文学賞受賞、すごく嬉しかったです。

 

私が最初にカズオ・イシグロさんの作品を読んだのは、夫がすすめてくれたからです。

 

その時、私たちは何度目かの「やすらぎの里」でファスティングを行なっていました。

 

その間って、とにかくのんびりした時間がたっぷりあって、たくさん本を読めるんですよね。

それで、夫が読み終わった「わたしを離さないで」を、すすめてくれるまま読み始めたのでした。

 

最初は、お金持ちの子供達が寄宿舎に入っている話だと思って読んでいたのですが、その後の展開がすごくて。

読み終わった時には呆然としました。

 

そして、結末を知った上でもう一度読んでみようと思ったら、やはり最後は感動して涙が止まらず、立て続けに3度読んだのでした。

 

そのすぐあとだったかな、私が所属しているTIS(東京イラストレーターズソサエティ)で「私が描く本の表紙」みたいなテーマの展覧会を開催することになりました。

もちろん私が選んだのは「わたしを離さないで」。

 

そのときすでに「わたしを離さないで」は、他の方の表紙で発売中でした。

だけど、その展覧会の絵を見てくださった早川書房の担当編集者さんが私の絵を気に入ってくださり、数ヶ月間だけの限定版、プレミアムカバーエディションとして私の絵を使った文庫本が発売されたのです。

 

私はイラストレーターになってから、300冊以上の本の表紙イラストを担当しています。

 

だけど、それはほとんどが編集者さんかブックデザイナーさんからの依頼、時々は作家さん本人からの依頼。

 

私から「この本の表紙を描きたい!」と願って描くということはありません。

 

この「わたしを離さないで」は、はじめて私が大好きな本のために自由に描いた絵が実際に発売される本となったものです。

 

すごーく幸せでした。

 

たぶんこんなことはこれからもないと思っています。

 

そして、そのブックカバーイラストを描いたおかげで、ETV特集「カズオ・イシグロをさがして」にもほんの少しですが、出演させていただくことができました。

 

 

その時のDVDを昨日、久しぶりに観てみました。

緊張して硬い表情の私がいましたが、カズオ・イシグロさんの魅力が伝わるとてもいい番組でした。

 

 

ノーベル文学賞受賞の夜は、この番組のディレクターさんとも、メッセージで喜び合いました。

 

またいつか再放送になるといいなあと思います。

 

ただし「わたしを離さないで」のかなりネタバレがあるので、できれば、先に本を読んでいただきたいです。

 

 

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