ウズベクの春といえば…
「スマラク」と「クックバラック」
この2点を食さずに、ウズベクの春を迎えることはできません。
いや、大げさに言いましたけど、春の風物詩の1つなのです。
イラン歴の年の始まりが、3月21日の春分にあたり、この日は祝日です。
春の到来を喜び、みんなで分かち合うために、多くの家庭で
ナウルーズ(3月21日前後)に、この「スマラク」を作ります。
仕事に行ったら、夜勤明けの仲良しの同僚が「今日家でスマラク
作るから来なよ!」
と誘ってくれたので、お邪魔してきました。
何回かメフモン(お呼ばれ)に行ってて、親戚一同知った顔ばかり。
この日も温かく迎え入れてくれました。
同僚のダンナさんの兄弟が11人。
その奥さん、子どもも併せるといったい何人になることやら…
その親戚一同、隣近所に住んでて、みんな揃ってお祭り雰囲気です。
しかも、みんな面白いくらい顔似すぎ。
麦芽の煮汁を濾し、これに牛の乳を混ぜ、ひたすら煮込みます。
これと同時に「クックバラック」作りにとりかかります。
春にそこらの地面に生える、こういう草をみじん切りにして、
これに油と卵、塩を混ぜたものを生地に挟んでいきます。
↑この草
クローバに形が似ています。
ビタミン、ミネラル豊富らしい。
チュチュバラととちょっと違った包み方。
こっちの方が断然簡単!
でも、はみ出るとうまみが逃げるので、そこは慎重に…
茹で上がったものをヨーグルトのようなものをかけ、いただきます。
いままで、このバラック系は苦手だったんですが、なんと!
美味いではないか…
塩加減がよく、チャキダと呼ばれるヨーグルトに似たものも美味しくて、
たくさん食べてしまった。
ひたすら焦げ付かないように鍋底から混ぜます。
畑仕事に使うクワのようなものを、そこらの水で洗って使ったので、
ちょっこしおなか壊さないか心配…
音楽を大音量で流し、踊る踊る。
男の人は庭でサッカー。
ホラズム地方では、血縁が近い人との結婚はざらにあります。
例えば、いとこ同士とか。
なので、家族間のつながりは密。
こういった行事、よそよそしさがなく、いつみても楽しそうです。
そして、突然ウズベクの普段着を作ってくれることになり、
寸法はかられ、そのまま服作りに…
「これ着て、みんなを驚かそう」と。
仲良しの同僚が、以前からうちにそんな服をプレゼントしたいとは
言ってくれてたものの、布も準備されてて、本当に驚いたし嬉しかった。
同僚の姪っ子にあたる子に依頼。
こちらの人はなんでも器用にこなします。
質の問題はあるものの、本当に男の人も、女の人も器用。
縫いあがり、さっそくこれを来て、スマラク作りの家に戻りました。
そりゃーもう…(笑)
自分は何様だってくらいみんな注目してくれて、本当に一生に1度の経験
とはこういうことなんだろうな。
みんなと踊って、混ぜて、本当に楽しいひと時です。
願い事を想いながら、7回かき混ぜると成就するとか。
その頃、先ほどうちに服を仕立ててくれた彼女が、今度は別の人の
髪を切るから見にきなよと。
以外や以外、使うハサミは散髪用のもので、剝きバサミまで使いこなす。
終わりはブローとセットまで。
本当になんでも器用にこなすわ、彼女。
夜もふけ、まだ混ぜ続けるのかと思いきや、思いきや…
火を落として寝かすというではありませんか。
うちはこの1年数か月、スマラクは一晩中かき混ぜると聞かされて
きました。
しかし、実際は12時間ほど煮込んで、あとは朝まで寝かすそうです。
それを聞いて安心して寝ました。
翌朝、まだ熱を持ってるスマラクを取り分けます。
スマラク作りの総監督は、一番年長者のダンナさんの奥さんが
するようです。
出来立ての「スマラク」
とっても優しい味がします。
穏やかで優しい時間を過ごすことができました。
ウズベキスタンの好きなところの1つです。
ありがとうございました。