陽射しが射し込んで屋内は暖かいが最高気温は0℃予報、ほぼ真冬日だな

本格的な冬の到来である

昨日は日付が変わってから一方的に気温が下落し続けた

午前11時には既に−0.5℃の氷点下

12月の気温推移

11/29・30日に雪が降った後一旦暖かさが戻ってからの2度目の積雪

本格的な冬の入り口のパターンだ、3月上旬まではぼぼ籠り人だな

陽射しもあるしまだ積雪が浅いと判断して日課のwalkingにでた

まあそれなりの積雪である

さて、歯科治療・全身麻酔で死亡という記事がある

無念の父「抜歯で亡くなるなんて」…支援学校生死亡、酸素チューブ誤挿入か（読売新聞オンライン） - Yahoo!ニュース　堺市の歯科診療所で７月、大阪府内の特別支援学校に通う男子生徒（１７）が全身麻酔で治療中、低酸素状態に陥り、約１か月後に死亡していたことが関係者への取材でわかった。大阪府警は、気管に通して肺に酸素を

news.yahoo.co.jp

タイトルですぐに「ああ…」と思う人はよう分かっていると思う

歯科医が全身麻酔ということであると、私は思った

歯科医は口腔領域が専門である、ほぼその領域に特化した修練を積んでいる

その歯科医でも麻酔を利用することは周知である、治療時に簡単な塗布あるいは注射器を用いた部分麻酔は経験がある人も多いことと思う

例えば医者であると「麻酔科医」という医師免許を保持している麻酔の専門医がいることは当たり前となっている

ある程度の病床を有している病院であれば手術室に麻酔科医が常駐しているのだろう

麻酔処置に特化して経験を積んでいるので異常があれば即察知できるし、基本は医師なので迅速な対応も可能であり。周囲にも外科医なり救急医も居る可能性が高いので緊急事態にはある程度の対応は可能となっていると想像する（あくまでも私のイメージである）

それに対して歯科医が治療において全身麻酔処置をするというのは件数としたら少ないのではないか？それは自ずと経験数に比例するハズである

歯科大学病院附属であれば歯科医の麻酔科医も居て経験豊富であることも想定できるが

当該記事においては歯科診療所で全身麻酔処置を施していることが分かる

歯科診療所であるので恐らく歯科医が全身麻酔処置をしたことは想像に難しくない

記事から気管挿管時にチューブが食道に誤挿入されてしまったことにほぼ間違いなさそうである、この誤挿入においてはあり得るのだろう特に不慣れな場合であれば尚更だ。そこで慣れによる違和感が感じられるかどうか？が焦点になる

普段から麻酔処置を生業としているのであれば違和感や誤りを察知して適切な処理を施せるだろう、しかし不慣れな場合は誤りの察知も遅れるしどうなっているのかを把握する判断も遅れる、全身状態の把握までする余裕もなかった可能性もある

歯科医の目的は「親知らずの抜歯」であり、その抜歯処置に問題が起こらないように集中していたこともあり得る

例えば、街歯科医院が難しい親知らずの抜歯を大学病院に紹介するというのもよく聞く話である

それは口腔外科を経験している歯科医であれば自分の医院でも親知らずの抜歯はできる技術はあるだろう、しかしそれ以外の問題が生じた時に対応できるかだろうか？という判断が求められる

部分麻酔・全身麻酔、抜歯時の異常など想定外（あるいは専門外）の問題が生じた時に対応できないことを想定したら、基本的にはそれに対応できる別の医院に紹介することは間違いではない

その処置を問題なく遂行できるかどうか？を判断するのも医師・歯科医の力量の内である

やっていいことと、やれることは違うし

慣れた処置とchallengingな作業もまた違う

歯科医の全身麻酔というのは結構危険な感じを受ける

それは口腔外科と耳鼻咽喉科の領域が被り、どこまでを処置可能にするのか？という話ともにている

歯科医は医師ではない、そして医師は歯科医領域のことは把握できない（特に歯科の専門的な領域）

口腔領域とは鼻腔・咽頭と接するので外科処理で分離することなど不可能である、従って被る領域はどちらかが越権せざるを得ない

今回のケースでは親知らずの抜歯（口腔外科処置）と全身麻酔処置はまったく別領域である。外科処置と麻酔処置それぞれの専門家が必要であり双方がある程度の経験を積み異常事態にはそれぞれの専門で適切に処置できなければ危険な行為となる可能性がある

それが医療である

慣れと異常事態への適切な対応、どちらかが欠けていると命に関わる。全身麻酔では特にそうだと思う

今回の件は歯科医による全身麻酔への一石を投じるキッカケになる可能性はあるような気がする

全身麻酔って危険な行為であると思う、個人的に

緊急性がないのであれば…という気もするな

こちらのブログで触れている

歯科麻酔と医科麻酔の問題。。 | 岸田歯科口腔外科クリニック札幌の問題から始まり、三井記念病院で再燃し。。しばらく落ち着いていた歯科医師と医科麻酔研修の問題がまた出てきた。一般の方には分かりにくい問題だが、歯科医師も全身麻酔をすることができるのである。自分も直接や指導も含めたりすれば、

www.kishida-dental.com

”全身麻酔は歯科でも医科でもやることは同じである。全く同じ薬剤、機器を使うのだ。当然併用する硬膜外麻酔や輸血やリスクなどで異なる部分はあるが、歯科で全身麻酔をかけていればお腹を切ることも可能なんである。”

”ただ歯科医師の医科麻酔研修は絶対に必要である。数年の口腔外科研修なんてあんまり意味はない。可能なら全部の歯科医師が経験してもいいと思うし、卒後研修に義務化してほしいとも思う。これからの歯科は穴掘って埋めたりするだけが仕事ではなく、医科の中の一分野としての機能が求められているのだ。”

やることは同じであるがリスク管理という面ではどうなんだろう？

歯科医は医科麻酔研修を受けるか受けないかは自己判断ということのようだ、それでも全身麻酔ができることになっているのか？

そこいらへんがようわからんな

研修も経験もない人が全身麻酔をかけることはないと思うけれど

まあ、上述の件は不幸な事故だったと思う

全身麻酔はかかる方も嫌なものだ、20数回受けているが「麻酔がかかったまま（楽に）死なないかな」などと術前には度々思っていたな

そもそも麻酔の原理はまだ解明されていないんじゃなかったけな養老先生が書いていなかったっけな？

経験と専門