4月1日。
昨年の今日は妊娠25週にして卵巣摘出の手術を受けた。
突然の緊急手術だった。
だからとにかく会社と家族に連絡して、早産の心配なんて考える暇もなく全身麻酔がかけられた。
麻酔から覚めたら、生まれてませんようにとだけ祈って。
手術中、おじいちゃんの夢を見た。
私が唯一覚えているおじいちゃんと2人でデパートに出掛けたときのことが夢でそのままでてきた。
幼稚園年中さんぐらいだったと思う。
私がその日のことを今でも覚えていたのは訳があった。
昼食の前におやつを食べ過ぎて、せっかく入った和食やさんで、私は何も食べられなかった。お腹いっぱいで食べられないと言えば良かったのに、気持ち悪くて調子が悪いと嘘をついた。
おじいちゃんは何も疑わず、店員さんに孫が具合が悪いから薬はないかと聞いてくれた。ほとんど残した食事についても何も言わなかった。
そのことが幼心にもものすごく罪悪感を感じ、2年後におじいちゃんが亡くなり、大人になった今でも申し訳なかったと思っていた。
まさに夢はその場面だった。
おじいちゃんは笑っていた。
口には出さないけど、大丈夫だよと。
その瞬間、先生に起こされた。
「手術、無事成功しましたよ!」
麻酔で喋れない。
涙が止まらなかった。
おじいちゃんがこの子の将来を、命を助けてくれたんだって。
ついでにあの時のことも気にするなと言われた気がした。
あれから1年。
おじいちゃんの名前から一文字もらって名をつけた、「仁奈」がいる。
ありがとう。
おじいちゃん。
仁奈は順調に育って来週から保育園へ通うよ。
また見守っていてね。
