父の突然の死から1ヶ月が経ちました。


節分の夜のことです。

父は入院先の病室で自ら命を断ちました。


日付が変わった深夜、ナースステーションの目の前の病室で、誰にも気付かれることなく自死したのです。


その首跡を見るまでは、到底信じることはできませんでした。

とても穏やかな顔をしていたからです。


遺書もなく、携帯の充電は0%。

それが異変だったのかもしれません。


急性期病院からリハビリ病院へ転院して4日目のことでした。

遠くて古い病院で父は何を考えていたのでしょうか。


父はずっと健康でした。


しかし晩年は患っていた癌が骨転移し、去年の秋には下半身が機能しなくなり緊急入院しました。


それまで自分勝手に生きてきた父の生活は一変し、現実を受け入れることが出来ない父は、点滴や服薬を拒否し続けました。


「家に帰りたい」

「家に帰してくれ」


懇願する父に「家には帰れない。しっかり治療して」

母と諭したことが父に絶望や悲観を与えてしまったのでしょうか。


充電器を買って持って行った時、少し嬉しそうな表情をした父の様子に安心してしまい、私は父の気持ちに気付くことはありませんでした。


河津桜を眺めて