数週間前から左ひじから下が浮腫み始めた。

こぶしを作るとまるで赤ちゃんのように丸くなってしまう。

 

今日の診察結果によると、三年前の左胸全摘の影響とのこと。

 

すぐに処置が必要なわけではないけど、皮膚を乾燥させない事や、

重い荷物を持たない事、アクセサリーや時計は右手だけにするようにと

アドバイスをもらった。

 

 

今度はこれか。

悪化しないようにしなければ。

悪化したらリハビリが待っている。しかも保険適用外。

 

すごいな・・人ってさ、こんな事だけなのに、帰宅時の電車の中で顔の左半分の痙攣が

かなり頻繁に起きた。ストレスなんだろうか?!

 

何とかしないとね。

「来年は海に行こうね」

パートナーとの何気ない会話の一言。

 

来年。そっか。彼の来年には私の存在があるんだ・・・!

「果物狩もいいかな。車で連れてってあげるよ」

 

蓋を開けたように、彼の口からは未来の予定がどんどん出てくる。

 

嬉しいな。

 

癌になって、抗がん剤や、手術、本当に生き地獄みたいだった二年間があって

今がある。

 

そして、未来があるんだね。

 

だから生きていかなきゃいけないね。私は一人じゃないんだね。

MRIの検査結果。

診察室から名前を呼ばれたときに、心臓が飛び出そうなほど緊張していた。

 

だけど、口角をあげてめいいっぱいの笑顔で

「よろしくお願いします!」と診察室の扉を開けた。

 

女医さん。

PC画面には細かい文字と投影写真。

 

緊張が高まる。

‘また抗がん剤治療か・・・’

 

しかし、次の瞬間それは一瞬で消えた。

 

「うーん。手術はいらないですね。右の子宮の大きさが戻ってます」

「え?!」

「確かに前の病院では7㎝まで大きくなっていたようですがね、この前の検査結果を見る限り大丈夫ですよ。次は3か月後ですね」

 

心からの笑顔がこぼれた。

嬉しかった!同時に早く友達へ伝えたいと診察室を出てすぐにラインをした。

 

前の病院を追放されてから、いったんはかなり落ち込んだけど、

でも前進するしかないと、笑顔でいるように心掛けた。

 

MRIは大嫌いだけど、医師の配慮でスムーズに終えた。

心の支えは小谷一家。そしてパートナー。

 

お金はないけど、心に余裕がある。

 

今日はいい日だったな。

希望。諦めない事。

 

大丈夫なんだよね。とりあえずさ、笑ってみるんだよ。

 

 

感謝。

 

 

新しい病院でお世話になることになった。

昨日は一番苦手とするMRI。閉所恐怖症の上、大きな音に20分ほど耐えなくてはならない。

 

前の病院では耐えきれず、泣きながらリタイヤしてしまった。

今回もそうなるのではないか・・・前日は不安からか何度も夜中に目を冷ましてしまった。

 

新しい環境ってこともあり緊張は半端じゃない。

いらだちもあった。

 

しかし、受付の時点でそれは吹き飛んだ。

とても明るい笑顔で対応してくれて、医師もすぐに声をかけに来てくれたのだ。

 

検査室に入ると、恐怖がこみあげてきてしまった。

MRI装置に横になり、体を固定される。

次の瞬間、医師の神対応に驚いた。

 

事前に爆音が苦手であることや、前回のMIRは断念したことを伝えていたためか

ヘッドホンをつけてくれたのだ。

 

「検査の音が大きいから音楽が聞こえないこともあるかもしれへんけど、

ちょっとは楽になるかもしれません。でもどうしても我慢できない時は呼んでくださいね」

 

とっても優しい笑顔だった。

 

なんとか楽しいことや、応援してくれる小谷ファミリーの事を思い浮かべ

音楽に集中したりして乗り越えた。

 

涙は流れなかった。

「もう終わりですよ~」医師が来た時、安堵で泣きそうになった。

 

確かに前の病院からは拒絶されてしまったけど、

対応してくれる病院もあるんだ。嬉しかった。

 

結果として、転院になって良かったのかもしれない。

医師も受け付けも優しい。

 

前の病院の診察券ははく奪されてしまったけど、

新しい環境で頑張るためなんだよね。

 

大丈夫。何とかなるよ。