夏の風物詩のひとつ、お化け。

お化けというと少し子どもっぽい。幽霊というと、ぐっと怖さと

迫力が増す。

日本の妖怪は、何だか間が抜けていて少し笑いも含んでいる。

百鬼夜行の妖怪は、人を脅かして悪戯をするという。

でも、どこかへんてこりんでおかしい。

百鬼夜行の妖怪は横に並んで登場すれば、なんとなく怖い感じもあるが、

一列に縦に並んで現れても、どうなんだろう、想像するとちょっと笑えるかな。

日本人は複雑な感性を持ち合わせていて、怖さとおかしさの両方を同時に

感じる事ができるような気がする。



私は幼い頃から不思議な体験をしてきたようだ。

遠く離れている友人の事故を感じたり、漠然としてはいるが予知ができたり、

黄泉の国へ旅立った人の姿を見たり、声を聞いたり、色々なことだ。

若いときはとても強く感じて疲れてしまったほど。今はめっきり少なくなった。というか、あまり感じなくなってきた。この現象はありがたい。



若い時の想い出だが、クラブやサークルの合宿で夜になると必ず怪談話が始まる。

必ず上手い語り部がいるものだ。話を知っているから、そこで驚かすのよね・・・と分かっているのに、

キャー!と声を上げてしまう。好きな先輩の隣に座って、キャーと言ってしがみついたこともある。わざとじゃないですよ。自然にそうなった。そんなことがとても楽しかったな。



幽霊、お化け、妖怪は日本人にも馴染みがあるが、亡霊というのは少し離れた感覚がある。

13世紀頃のイングランドの民謡に「スカボロー・フェア」という歌がある。1960年代に「サイモンとガーファンクル」が大ヒットさせた。

戦で命を落とした若者が亡霊になって、旅人に「スカボローへは帰るかい?」と尋ねる。

昔愛した恋人が自分の帰りを待っているから、どうか僕の話をその恋人に伝えて欲しいと不思議な話を語り出す。

亡霊の若者は旅人に語り続け、旅人は、耳を黄泉の国へ迷い込まないように、必至でおまじないを唱えている。

「パセリ・セージ・ローズマリー・タイム」

この四つのハーブを唱えれば黄泉の国へ迷わない。旅人は繰り返し呪文を唱え、若者は囁きつづける。

これを日本語で物語のような歌詞にして歌っているので、是非お聴きになってくださいませね。

もうとっくに丑三つ時を過ぎている。どういうわけか、真っ暗な部屋で書いている。

あはは!想像すると怖いわね。

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