本日は、ビッグサイトで開催中のオーガニックEXPOに参加し、農林水産省のご担当者によるJAS規格についてのセミナーに参加して参りました。
その内容と感想を簡単にレポートしたいと思います。
セミナーはJAS法第一条の定義から始まり、有機JAS規格の歴史が説明され、その後は生産者や加工業者向けのための表示ルールなどが細かく説明されました。
全体の印象は、
「日本のオーガニックは黎明期」であり、
官庁もまだまだ、手探り状態なのだということです。
有機JAS規格の内容に関しては、正直問題点も感じましたが、農水省のご担当者と生産者、加工業者の真摯なやりとりから、お役所も、生産・加工業者も一生懸命頑張られている事がよくわかりました。
セミナーの内容を少しシェアしながら、私の感じた問題点も共有してゆけたらなと思います。
今回のセミナーにおいて消費者として喜ばしい点:
★各国に日本の有機JASの規格が各国と同等と認めさせ輸出を増やす交渉を中ということ。
現在は、EU27か国とスイスのみに基準を認めてもらっているそうです。
工業製品のように、世界一のオーガニック農産物を日本人が作る日が待ち遠しいです!
★有機JAS規格概要が納得のいくものだったこと
1、ほ場は二年以上有機の方法で管理。
2、種苗は有機ほ場で生産されたものが基本
3、組み換えDNA技術を使わない
4、化学的合成肥料は基本的には使わない
5、機械、器具からの汚染が無い管理
6、非有機農産物と混合しない管理
7、農薬は基本的に使わない
★有機農法を取り入れる農場および収穫高が、年間0.数%だが、右肩上がりに増えていること。
★使用を認められている資材が明確で理に適っている事。
例: カット野菜の洗浄のために、「次亜塩素酸水」という資材の使用が認められている。「次亜塩素酸水」は、洗浄や殺菌に使われ、食塩水を分解したものと塩酸を電気分解したものの二種類があるが、有機JAS規格で認められているのは、食塩水を電気分解したもののみ。
私自身、もしも「次亜塩素酸水」という表記を有機食品の裏に見つけたら、「なんだかよくわからない添加物~!こわ~い」で片づけ、有機JAS規格自体を疑うような事をしかねません
とんでもない傲慢さだと思いました…スミマセン。
★完全有機を目指しているがまだ技術が追い付いていないものに関しては、暫定的に化学の力による補助を認めている。
例: 苗とたまねぎ培土の粘度調整剤
苗の状態まで成長した玉ねぎを、トラクターで積み出荷する際、どうしても土壌の粘度を高める資材を入れないと、うまくすくえずに苗がだめになってしまう。現在オーガニックで同じ事をするための技術を開発中であと一歩だが、技術が追い付かないために化学的資材の利用を認めている。
こういった情報を開示する姿勢はありがたいですし、信用されると思います!
一方、私が感じた問題点を記述します。
最初に、結構ショックなやつです
①有機JAS規格の存在意義はあまりないかもしれない。
なぜでしょうか…?
ここに資料の文言をそのまま転記します。
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有機○○と表示するための現在のルール
○有機農産物及び有機加工食品(農産物加工食品に限る。)については、
・有機JASマークがついたものでなければ、
「有機○○」と表示できない。
・違反者に対しては
除去命令
○上記以外の有機畜産物、有機加工食品(畜産物及び農畜産物加工食品)及び有機飼料では、
・有機JASマークがなくても、 ・有機JAS規格に定める生産方法とことなっていても、 「有機○○」と表示が可能 (ただし、慣行の生産方法と全く同じ場合、優良誤認に問われる可能性あり。) ---------------------------------------
。。。!? えええ!!????
それって。。。ほぼ有機じゃなくても有機って言えちゃうんじゃ。。。
逆に言うと、きちっとした有機JAS規格が適用されてるのって、野菜と果物だけなんじゃ。。。
しかも、優良誤認に問われる可能性ありって、そこまで認識してて、なんで!?
ネタなんじゃないかと思ってしまいました(笑)
その他にも突っ込みどころはありました。
特に私が激しく日本的だなぁと思ったのは、
「やむを得ない場合」とか「入手が困難な場合」といった表現が多く生産者からも「どういった状況が入手困難ですか?」という確認の質問がありましたが、「FAQを見て判断してください」という回答で、つまりケースバイケース。
規格としての拘束力はそれでは弱いですよね。
②規格が生産者を意識しているもので、消費者にはわかりにくい。
先に述べました4種類のカテゴリーをはじめとし、他にもたくさんの情報をいただきましたが、消費者にそこまでの知識は求められませんし、分かりやすいとは到底思えませんでした。
消費者にとっては、有機畜産物でも有機加工食品でも畜産物でも農畜産物加工食品あまり変わりません。
消費者の置いてきぼり感は否めません。
以上の事から、私は有機JAS規格に関し、下記のような結論を出しました。
★結論★
先に述べたようにオーガニック農業自体が黎明期であり、見切り発車をしないと何も始められない、というのが現実ではないかと思います。
そんな中、農水省のご担当の皆様も一生懸命頑張ってくださっているのが今の基準なのだと思います。事実、関心した事もたくさんありました。
ただし、やはり根本的なところに疑問が残ります。黎明期だからこそ、一本の筋を持つ事が大切なのではないかと感じます。逆に、今の見切り発車状態で筋を通さずに「とりあえず、とりあえず」でやってしまうと、今の年金制度の二の舞になってしまうのではないかと思います。
そのために、一つの提案としてEUのオーガニック基準をそのまま採用することはできないのかな?と思いました。日本独自の規格は輸出においても二重の手間となりコストもあがって弊害になるのでは?
なぜEUの基準を採択しないのかと感じてしまうのでしょうか?それはEUの基準に信用があるからですよね。
今日のセミナーを通し、私の中で浮かびあがって来たキーワードが、<信用>でした。
上記の農産物以外の非常にあいまいな規格も信用がベースになっていますよね。
過去、日本人は民度がずば抜けて高かったですが、残念ながら全国規模で流通が起こる現代において、生産者も消費者も一生お互いの顔を知らないまま過ごすシステムにおいて、過去と同じレベルの信用を期待するのはむつかしいと思います。
EU基準にそこまでの信用があるのは、ヨーロッパは消費者が意見を持ち情報を自分から得ようとするからです。
やはり、消費者の自立と選択というのが、究極のテーマであると実感しました。
生産者が「あなたのために」作ってくれた野菜やお肉なら、悪いものなはずはありません。
<信用>できるブランドを選ぶ情報力、直観力、好奇心、ネットワーク力、そういったものがますます重要になっていくと確信しました。