AIに淘汰される社会人



野村総研は2015年、10-25年後には、日本の労働人口の49%235の職業がロボットで代替可能との見方を示しました。


野村総研のこの発表は正しかったのでしょうか?2017年、大手銀行で数千人単位でのリストラが一気に数社で発表され社会に大きな衝撃を与えました。その理由は、AIによって先端化されつつある銀行技術は、効率化に伴いより少ない人員でシステムが維持できるようになったことです。

これらのニュースを見ていると、「人間はAIによって職を奪われる!」と思うのも自然でしょう。その他の職種でもテクノロジーによって削減される人員はたくさん出てくるでしょう。

しかし、それは本当に悪いことなのでしょうか? リストラされた方々にとっては残念ですが、社会が進歩して私たちの生活がより少ない労働力で成り立ちつつあるということも確かです。その時代においてどのように私たちは生き残り、さらに技術を使いこなして社会で活躍できるのか、その条件を考えましょう。


AIに負けない条件

一つの分野のプロフェッショナルになる

意識だけ高い系の第一の特徴は、本人に何の専門性もないことです。-落合陽一著「これからの社会をつくる仲間たちへ」より

一般的なスキルはみんな持っている

多くの人が、「これが大事」と一般的に言われている力を身につけようとします。しかし、これは非常に危険な事です。なぜなら、みんなにとって「大事なこと」は、「みんな知っていること」だからです。
さらに言うと、「大事なこと」は、「AIによって最も早く自動化されること」でもあります。つまり、広く大事と言われている能力のみを浅く身につけることは、「代わりはいつでも効く人間になる」ということなのです。
例えば、昔はプレゼンテーションのボードを作るためにわざわざ、ペンで書き、多大な時間を費やしていました。しかし今では、技術の進歩によってPowerPointですぐに作れます。このように技術の進歩で削減された人はたくさんいたでしょう。

一つの能力に突き抜ける

一つの能力に突き抜けることは、あなたに無限大のチャンスを与えることになります。
例えば、もしあなたが平安文学の知識では誰にも負けないというくらいに専門性を持っているとすれば、誰もがあなたに尊敬の念を持つでしょう。国内外問わず、平安に興味のある学者はあなたのもとに話を聞きに来ますし、平安関連の本を書くこともできます。平安時代をテーマにしたゲームを企画し、ゲーム制作のプロフェッショナルの人と仕事をすることも可能です。

高すぎる次元の専門性はAIでは代替えできないので、それに対する需要は尽きないので、お金を稼ぎ続けることができます。

平安時代に関係ない学者と話すときも、あなたが平安時代に深い知識を持っていて、その界隈で実績を残していたとすれば対等な立場で話すことが可能なのです。

つまり、どのような分野であっても専門的であることは、あなたに必要な知識を深く持ってる人と対等に話すことができるようになる資格を得るようなものなのです。

確かに、そのレベルまで専門性を身につけることは難しいですが、それはあなたが好きな事でもいいのです。何かの分野でトップレベルになるということは、ウィキペディアなどの情報まとめサイトに決して載っていない次元まで達することです。そのためには莫大な努力が必要ですが、好きな事で良い(例えば音楽やゲームでも)ので、あなたにも十分にチャンスがあることなのです。

デザイン能力、編集力を身につける

デザイン能力や編集力とはつまり、企画する能力です。

この能力を身につければ、些細なことから面白いイベントを起こすことができます。例えば、今では世界最大のSNSであるFacebookはもともと、好きな人がどの授業を受けているかを知るために、大学内で誰がどの授業を受けているかをわかるようにする簡単なアプリでした。しかし、それの企画設計者であるマークザッカーバーグは今や資産446億ドル(日本円で4兆5000億円以上)の世界屈指の大富豪です。

小さな問題や改善点を見つけ、企画でそれを解決することは、デザイン能力、編集力があればすぐにできることなのです。

では、デザイン能力、編集力はどのように鍛えるのでしょうか?その方法は簡単です。

1.  新しい情報に触れて批判・分析能力を鍛える。

例)読書、講演会、展覧会、YouTubeの動画、ネット記事

2.  問題点を見つけてそれを解決する手段を考える。

例)誰がどの授業を受けてるのかわからない→それがわかるサイトを考える。(Facebook)

3.  それを実践する。

例)プログラミングできる友達と一緒にそのサイト作る。(Facebook)

この繰り返しをするだけで、デザイン力、編集力は抜群に伸びます。

多動力を磨く

前の条件に述べた通りデザイン能力、編集能力を身につけることは大切です。しかし、考えてるだけでは何も起きません。たくさんの企画を考えそれぞれを同時進行で実践し続けることで、「自分はこれをした」ということが増えていきます。すると不思議なことに、人から企画を手伝って欲しいと誘いがかかったり、手伝わせて欲しいと逆に申し出てきたりします。

つまり、動き続けて活動事例(ポートフォリオ)を増やすことで、自分の信頼(価値)があがるのです。

信頼は、AIでは構築することはできません。人から信頼されることはそれ自体がAIに負けない条件と言えます。

テクノロジーを好きになる

テクノロジーを好きになるということは、「AIを怖がらない」ということです。脅威を考えるのではなく、AIや、技術の進歩によって「どのようなことができるのか」の可能性を考え続けることで、上手く使いこなすことができます。これもFacebookを例にすると、「自分の情報がネットにあるのは怖い、許せない」と考えば出来なかったでしょう。

技術はわたしたちの生活を豊かにするためにあるもの

という前提の考え方であることが必要になります。

他人の意見を気にしすぎない

人の意見を気にしすぎると、ろくなことがありません。知り合いの「お前じゃ無理だ」や、教師や親の「この道に進みなさい」を気にするということは、それ自体がリスクなのです。彼らは発言に責任を負いません。一見リスクを避けさせる言葉に見えますが、

今の時代は現状維持こそがリスク

なのです。
例えば最初に述べた銀行業は「安定した職業」として人気職種でした。これまでは親も「銀行に入る」と言えば、「よくやった」と褒めていたでしょう。しかし、実際にリストラで数千人規模が路頭に迷うことになりました。

これからの時代で必要なのは、自分でやると決めたことをやり続けてその分野で信頼を勝ち取る

ことなのです。

誰もあなたがやったこと、やらなかったことに責任を取ってくれない

ので、あなたは人の意見よりも自分で選んだ道をがむしゃらに突き進んで、専門性を身につけるべきなのです。

終わりに

どうでしたでしょうか?現状維持では生きていけない時代でどのように生存していくのかは簡単な問題ではありません。しかし、この5つを徹底して実践していれば決して路頭に迷い、AIに負けることはないでしょう。いやむしろ、AIを作りたい、とさえ思うようになるかもしれません。

あなたのやりたいことをよりやりやすくしてくれるのがテクノロジー

なのです。

この記事を読んだあなたが少しでも参考にしてくれれば嬉しい限りです。

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via Artech Japan
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