あたしは、なぜ、東京にあこがれるのだろう。


六本木、銀座、原宿、青山、恵比寿、代官山


ときどき、なんの目的もなく、ぶらりとする。


行き交う人々は、みな、おしゃれで、


センスのいい人間といる。


女同士の集団はめったにない。


せいぜい、女の2人連れ、カップル、女ひとりがザラだ。


東京の人々は、


みな頭と顔が小さく、目鼻立ちがくっきりしてて、メイクもうまい。


華奢な肉体だが、貧相では、ない。


自分の顔を鏡で、まじまじと見ると、


ためいきがつく。


今にもわれそうな、パンパンにはった丸顔、


目のまぶたの肉がおもく、目が開いてるのか、閉じてるのかわからん。


いつも、眠そうだといわれる。


頬は、りんごのように赤く、


口と、鼻は、これでもかと、でかく、


顔の大きさは、肩幅よりはみでて、重いのなんの。


「いもっこいもたんやーん」


鏡の中でつぶやく。




でも、かぶりを振る。


まずは自分を自分で愛さないと。


顔の大きさは、どこにいても目立ち、目印になり、


赤いほっぺは、うぶなところがいい。


くちびるも、多くを語らないかわりに、大きさを与えた。


鼻は、存在感の表れ。


太く毛虫の眉は、強い意志をあらわし、


まぶたの肉は、セクシだぜぇーいと、


あたしを通りぬけていった、数多くのメンズの言葉。


それを励みに、


あたしは、今日も、都会を闊歩する・・・