あたしには、銀座でよくいく喫茶店と、バーがある。


どこって名前をかけば、すぐにあたしが誰なのか、


待ち合わせに使っているのかとかいうこと全部がバレてしまうので、


あえて、名前は秘密にする。(笑)


大体、時間も同じように決まっているから、


ウェイターさんや、バーテンダーは、顔を知っているはず。


だけど、ぜったい、お仕事は何を?とか、


待ち合わせですね?とか、聞いてこない。


それが銀座の暗黙のルールなのであろう。



昔、六本木にあったが、今はない。


昼は喫茶店で、夜はバーになるところ。


おじーちゃんみたいなマスターで、


コーヒーは、豆の香りに特徴があった。


当時、学生だったあたしは、ディスコに行く前に一服しにいってた。


おじーちゃんマスターは、



「学生さん?OLさん?どこ行くの?また踊りに行くの?」


とかやたらとプライベートをきいてきた。


あたしは、ディスコといっても、踊るわけでも、ナンパでも、ない。


友達の女の子たちがナンパから守るボディーガード役だったのだ。


体の大きいあたしは、華奢な女の子たちがナンパされているところをみては、


野郎どもに、「なにか用?」と聞くと、


野郎どもは、逃げていったのだ。


おじーちゃんマスターに、


「踊りに行くの?」ときかれると、


「えぇ、ボディーガードとして」


と答えるのであった・・・