このところクラシック音楽を聴きまくってますが、やっぱり行き着く所はラヴェルの「ボレロ」

ラヴェル:管弦楽曲集(第1集) ボレロ/スペイン狂詩曲/ラ・ヴァルス

ラヴェル:管弦楽曲集(第1集) ボレロ/スペイン狂詩曲/ラ・ヴァルス

  • アーティスト: パリ音楽院管弦楽団, ラヴェル, クリュイタンス(アンドレ)
  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
  • 発売日: 1996/11/20
  • メディア: CD


この曲はある意味で単純。
メロディはAパターンとBパターン、ラストにB'パターン、管弦楽器の荘厳な裏のリズム、スネアドラムが延々と叩く(途中から他の楽器も加わる)2小節1パターンのリズム。
けどこれが意外に単純ではない。
主旋律を奏でるパートがどんどん変わり、オーケストラでは珍しくサックスなんかも出てくる。
音を聞く楽しみを味わわせてくれる曲です。

けどこれが演奏をする方にとってはとても辛い曲。
まずはスネア。
手が死にますね。
延々と15分間同じリズムを奏でる。
曲が進むに連れて音の大きさは変えて行くものの、リズムは同じ。
スネアだけではなく管楽器も弦楽器もそれぞれリズムを刻むことにはなるのですが、スタッカートの嵐。
ちなみに私はスタッカートは嫌いでした。
テヌートの方がどんなに楽か。
アルペジオの方がやりやすいったら。

ソロはやはり大きな見せ場。
楽譜の音符の配列はどの楽器も同じだけど、だからこそそれぞれの音や演奏の仕方を聞き比べさせてしまう。
トロンボーンのソロは過酷です。
普段演奏する音域よりも高い音域での演奏となります。
ヘ音記号の五線譜の一番上を余裕で通り越しているはず。
恐ろしいほどの緊張感に加え吹き慣れない高音域ソロ。
このソロを本番でミスをして自殺してしまったトロンボーン奏者もいたそうです。
私が聴いているこのCDの場合、私の一番のお気に入りはピッコロ、ホルン、チェレスタの高音域の楽器のソロ。
3つの高音がそれぞれの音の邪魔にならないように演奏されててとても美しいのです。
パリ音楽院のこの奏者たちだからこそってこともありますが。

私はB'パターンからラストにかけてが何よりも好きです。
ピアニッシモ(pppかも?)から始まったこの曲がフォルテシモ(fffかffffか?)で最高潮を迎え、やっと出番がきたシンバル、ドラ、バスドラム(このラストの演奏が始まるまで彼らはステージの上で10分以上もただ座って待つのみ)がラストを盛り上げ、高音から一気に低音へ2拍でなだれ込んで行く。
成功すれば達成感に満ちあふれるラストですね。

ラヴェルは「亡き王女のためのパヴァーヌ」も良いです。
ホルンのソロがステキ過ぎます。
管弦楽アレンジの方しか聴いたことがないので今度是非ピアノの方も聴いてみたいです。

20世紀のオーケストレーションの作曲家になんだか興味を持っています。
シュミットとかアンダーソンとか。
モーツァルトもバッハも良いけど、古すぎない人たちも良いのです。