「今宵、月明かりの下で…」24
「恋人」
暫くの間、汗ばむ身体を重ね合わせ、ふたりは、荒い息を吐いていた。
テギョンの身体に押し潰されたミニョは、その重みさえも、心地よく感じ、恍惚の表情を浮かべていた。
漸く、息が整い、ふたりは、顔を見合わせ、笑みを浮かべると、どちらからともなく、唇を寄せ、口づけを交わした。
『穢らわしい行為』だと思っていたことが、こんなにも、愛しく、幸せな気分に満たされるものだとは・・・思いもしなかった・・・
ずっと、ミニョのことだけしか考えていなかった。いや、・・・考えられなかったのだ。
ミニョは、キム参議に、心も身体も傷つけられた。
キム参議と、同じような行為でも、自分は違う。
自分が持っている愛をすべて与えて、満たしてやりたかった。
初めて触れたミニョの白い肌は、吸い付くように柔らかで心地よく、もっと触れたくなり、夢中で、身体中に指を滑らせ、唇を這わしていた。
ミニョが甘い啼き声をあげる度に、テギョンは、ミニョ以上に、十分に満たされていた。
“・・・このような気持ちになれるのは、そこらの女人でも、妓生でも、ヘイでもない。きっと、『ミニョ』ではないと、この気持ちは満たされることはなかった・・・”
テギョンは、ミニョの身体を抱きかかえながら、体勢を変え、寝床に横たわった。
「ミニョ・・・愛してる」
ミニョをいとおしそうに見つめながら、テギョンは、愛を囁いた。
「テギョン様・・・私も・・・貴方を・・・愛してます」
ミニョが嬉し涙を浮かべている。
テギョンは、笑顔を浮かべながら、親指で、ミニョの涙を拭い、額に口づけをした。
「『ウォルファ』は、万人の恋人かもしれないが、『ミニョ』は、俺だけの恋人だ・・・」
テギョンは、ミニョをきつく抱き締めた。
★★★★