で、話は10日前に遡る。すいません、話が追いつかなくて。

ここ数日続いた平穏な日々の延長で、比較的穏やかに暮らしていた
途中、ワタシが忙しいのに、おやつを大量に食べてぐったり寝ころんでいることもあったけど、まずまずの毎日を過ごしていた。
先週の月曜日は、ワタシがあまりにも忙しかったので、夕方までゴロゴロしていたオットが夕食を作ってくれた。後片付けもやってくれる。
ありがたい。と、ワタシはまた仕事を続ける。

翌朝の6時まで仕事をして、1時間ほど仮眠。
それからは、日帰り出張である。
朝8時半に出て、仕事をこなした夕方。携帯に1通のメールが入ってきた。

タイトルを見ると『クソババア』と書かれている。


胸騒ぎ。本文を見たくない


「また買ってきた食い物を押しつけくさった。オレが刃向かえないのをいいことに。お前の留守をいいことに好き勝手している。我慢してるけど、ぶち切れそうだ
見ないわけにもいかず、開いた文面はこうだった。
はぁ~タメイキ

「9時に帰りますので、とりあえず放っておいてください」
そう送信したが、気が気じゃない。

午後9時半に戻ると、オットは台所で怖い顔をして酔っていた

「今日は気分がいいから、包丁を研いで豚の角煮を作ったんだよ。あのババアは友だちとデパートに行くと言って出て行ったから、イヤな予感がしたけど案の定だ。オレが2階へ上がってるわずかな隙を狙って、出来合いのおかずを皿に盛って置いていきくさる。何度言ったらわかるんだよっ
オットにしてみれば、機嫌良く料理をしていたのに、わざわざ出来合いのおかずを置いてったというところが気にくわないらしい。自分が料理をしてるのに、これ見よがしに。嫌がらせだと受け取っている。
この前、新聞販売店からデパートのギャラリーでやってる展覧会のチケットを貰った。だから友だちと行くように、ハハへあげていたのだ。その約束の日が今日だったらしい。
デパートに行けば、当然おかずはデパ地下で調達だ。
このごろものぐさであんまり料理をしなくなったけれど、オットがいつも台所にいるから、ハハはうるさくしちゃいけないと遠慮するところもあるのだ。

お茶を沸かしたりするような、些細な用事でもオットのカンに障る
「オレが台所にいるのに、ワザとがちゃがちゃ音を立ててヤカンを洗い、茶を沸かす」と。ハハを自室から出てこないようにするため、「買ってやったクッキングヒーターを使えよ。どうせ、宝の持ち腐れだろっ」と怒る。
しばらくは2階のコタツでまったりしていたのに、このごろは「あの女中部屋は気が滅入る」と、また台所生活に逆戻りしてるからな。
しかし、そう一日中ずっと台所にいると、カサが高いんだよ。自分だけが我慢しているようなことを言うけど、周りの人間も十二分に我慢してるんだよ。

しかし、自分だけが辛い思いをしている。その原因は全て私たちにある。そう思っているオットには、そんこと通じない。


ハハには「調子が悪いからかまうな」と言っておいた。
が、このところオットの調子がいいので、ハハも気がゆるんだんだろう。しかもワタシがいないから「ついでに」という親切心で多めに買ってきたんだろう。ま、買い物依存症なところも否定はできないが。
何気にスルーすればいいことなんだけど、オットは自分が料理をしていたところへ置いて行かれたものだから、激怒しているのだ


しかしなぁ。
ほぼ徹夜状態で出張し、ヘトヘトになって帰ってきてるワタシに、2時間もぐだぐだと文句を言い続けねばならないほど、重要かつ緊急な内容じゃないだろうよ。


言うだけ言ってくたびれたのか、ぐったりするオット。
興奮して「寝られない」と言う。
本当は、昼間たっぷり寝てるせいだろ、それ。
通常は1粒の睡眠薬を、「効かない」というから2粒飲ませる。これぐらいならODにはならんだろ。
とにかく落ち着かせ、もうろうとしてきたので2階へ上がっていただく。
ほどなく、大きなイビキが聞こえてきた。
ぐっすりすっきり、お休みのようである。


これだけで、すでに時計は午前0時を回っている
明日もワタシは仕事がいっぱいだ。
オットが、わかすだけわかして入らなかった風呂に、顔までぶくぶく浸かり、泥みたいに重い心と体で眠りこんだ。


あーもうっ、どうすりゃいいのよ~~~