愛犬を見送って3日目のこと。
徹夜の日は出張が入っていたのでやむなく出かけ、翌日の火葬した日も片付けねばならない仕事で数時間しか寝ていなかった。
だからさすがに、翌日にあたるこの日は爆睡していた

朝10時。
突然、2階へ上がってきたオットが「Aさんという人が来てるっ」と、起こしに来た。寝ぼけ眼で顔を見ると、険しい表情だ。しかし、ワタシはその名前に覚えがない。
「Aさんって誰?!」
オレが知るかよっ。お前のミク仲間かなんかじゃないのかよっ
オットは明らかに怒っている。ワタシの知人の用事で、起こしに来なければばならなかったということが腹立たしいのだろう。
先に降りていったオットの後を追うように、慌てて着替えたワタシは顔も洗わず玄関へ行った
すると、オットが親しげに話をしている。来客の顔を見ると、たまに道で会う動物好きのおばさんが花を持ってきてくださってたのだ。このところ散歩はほとんどオットが行っていたので、当然出会う頻度はオットのほうが高い。つまり、オットの知人と言っても差し支えない人だった。

なーんだ。
ちゃんと誰か確かめてから、起こしに来いよな。と思うと同時に、ワタシの知人でなくて良かったと思った

礼を述べておばさんを見送り、ワタシは顔を洗った。
洗面所から出てくると、オットは
「起こして済まなかったな。オレが出れば良かったんだ。でもオレが出ようと思ったら、お義母さんが『きっと新聞の集金だから私が出ます』って先に出てしまったんだ。それで応対して名前をオレに言ってくれたんだけれど、オレも道で会う人だから名前なんて知らない。だからお前の友だちじゃないかと思ったんだよ」
「別に、起こされたことには怒ってないよ。でもね、ワタシを起こしに来たときのあんたは、いきなり喧嘩腰だった。寝てるワタシをとがめるように。その言い方のほうが悪いと思うよ」
「ちがう。あんときは、急を要する用事だから、少しでも早く伝えなきゃと思って焦ってたんだよ。だから言い方がきつくなったんだよ」
「急いでたってね、他意がなければあそこまでキツイ口調にならないよ。もし本当に単に急いでただけであんな言い方になるんなら、これからはモノの言い方には気をつけたほうがいいわ。言われた人はすごく不愉快だから
そう言うとオットはとたんにすね、「オレが悪いんじゃない」と2階へ上がって不貞寝する。


このあと、今度は本当にワタシの友だちが来た。もちろん、ワタシの友だちはちゃんと電話をしてくる。やっぱりお花を携えて覗いてくれ、オットが扱っている商品を買ってくれる。それから、近くへ一緒に食事をしに行った。
数時間後に戻って預かったお金を渡すと、オットは小さい声で「ありがとう」。
その後、別の来客と仕事の打ち合わせを済ませ、ようやく今日の仕事に取りかかったワタシ。その状態を見て、オットは珍しく夕食を作ってくれた。これ、反省の色?!とはいえ、ワタシは午前中できなかった仕事をせねばならない。「せっかく作ってくれたけれど、ワタシはまだ仕事を片付けなきゃいけないの。あと1時間待ってくれるか、先に食べるかどっちかにしてね」
そう言って2階へ上がる。1時間後の午後9時半に降りると、オットは一人で食事を済ませてまた酔いつぶれていた。

はぁ~今日のはペットロスか、それとも昼間の小言の腹いせか。
どっちにしろ、酒に頼るなんて哀しすぎる。テーブルに突っ伏すオットはとても小さかった。


この翌日、ワタシが起きるとオットはすでに居なかった。
昼間の打ち合わせに出かけて帰ると、夕方戻ってきたオット。
どうやら昨日のことで、また臨時にメンクリへ行ったようだ。そして数時間後には夕食だというのに、昨日の残り物でビールを飲む。止めたんだけど、言うことを聞かない。それで腹いっぱいになったらしく、この日の夕食はほとんど食べなかった。
でも自分でもおかしいと思っているらしく、安定剤を飲んでさらにフラフラになっていた。だから進まなかった夕食のあとは、すぐに寝室へ上がっていった。


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