またその翌日。
雨が降っているのに、趣味のクラブへ出かけたオット。
技の習熟を目指しているのか? が、やはり早めに帰ってきた。
ギリギリまで仕事をしていたワタシが食事の支度をし、風呂をわかして入るように進める。医者で検査をして、「クラミジアは完全に除菌できている」というお墨付きをもらったので、このごろは湯船にもつかっている
その間、ワタシは犬の散歩へ。
帰ってくると、食卓を出していたオット。
「別に出さなくていいよ。テレビも見ないんだしカウンターで食べれば
そう言うと
「今日はうるさくないからテレビを見てもいい」
と言うオット。
「いーえ、見ませんっ。また途中で気分悪くなられたら困るし
と、イヤミを言って黙々と食べるワタシ。
でも、食事の途中でそれとなくソープ嬢の話や豚女の話を聞く。ポツポツとしゃべるオット。でも、ワタシがちくちくイヤミを言うと、「誘導尋問に引っかかってしまった」とすねるので、ちょっときつめに怒ってやる
するとオットは頭を抱えてうなだれ
「オレだってどうしていいかわからないんだよ。頭の中がぐちゃぐちゃで。解決法があるんなら教えてほしいよ
「そうやって、よく考えもせずにすぐ逃げるなよ。なんとか言いなよっ
ワタシは頭に血が上り、つい平手でオットの頭をバシバシ叩きまくる
そのたびに頭を抱えるオット。

そこから話は仕事先や趣味の集まりでの態度のことになり
「オレは仕事先や趣味の集まりではごく普通に対応できる。でもそれはしんどいのをガマンしているんだ。家でぐらい、素の状態で発散させてくれよ
と言うので
「ワタシが何に一番腹を立ててるか言ってあげようか。そうやって表向きはいい顔ばっかりして、外で面白くないことやイヤなことがあると全部家に持ち帰って当たり散らす、あんたのその根性に腹が立つんだよ
「家しかそんなことを言える場所がないじゃないか。それも拒否されたら、オレはどこで発散すればいいんだよ。そうでなくても、毎日死にたい死にたいという考えが頭の中に貼りついているのに」
「ソープや出会い系で発散してきてるじゃないか。ワタシだって仕事でイヤなこともあるし辛いこともあるけど、それはワタシの問題なんだから、あんたに当たったりしたことないよ」
「あんな女に引っかかったのは悪かったけれど、そもそもお前が嫌がるからお前を気遣って外でしてきたことなんだし…」
「またそうやって人のせいにするっ
「じゃぁどうすりゃいいんだよ。ガマンばっかりして、こんな病気になったのに。お前とお母さんがケンカしてるのを耐えていてこんなになったのに」
「原因はそれだけじゃないだろ。おまけに、むかつくからってテレビをひっくり返したり、冷蔵庫をボコボコにしたりやってるじゃん。あんただって好き勝手してるよ」
せめてああいうことでもしなきゃ、やりきれない
「そんなに腹が立つんなら、一番の原因だと思ってるワタシを気が済むまで殴ったら」
「だめだ、手を上げるなんて出来ない。オレは力が強いから、ケガをさせる」
殴りたきゃ殴れよ。殴りなよ。肋骨の3本ぐらい、惜しくないからさ
グジグジ言うオットにむかつき、かなりキツイ口調で言うワタシ

「お前、それでオレが殴ったりしたら、それを口実に離婚を言い出すんじゃないか
と、髪の毛をぐじゃぐじゃにかきまわすオット。


あ、読まれてましたか。鋭いじゃーん


「とにかくね、外で起きた不平不満を家に持ちこむな。ワタシは今まであんたを支え、自分の仕事や自由な時間を犠牲にしてまで頑張ってきたよ。そういうしんどさをないがしろにして外で遊び、それでもイヤなことがあれば不快感だけ持ち帰って露わにする、あんたのそういうところがムカつくんだよっ。ワタシこそ、あんたを思いっきり殴ってやりたいわ
だったら殴ればいい
「ほんといいんだね
ワタシは先ほどの平手打ちでかなり勢いがついている。立ち上がって足を振り上げ、オットを蹴り倒す。運動神経が鈍いので、何度かスカを食らわしたわけど(バツが悪い)10回ぐらいは蹴ったと思う。そのたびにオットの体が揺れる。そこをもう一押し蹴ると、倒れるオット。横向きになった体をなおも何度か蹴る
ぜぇぜぇぜぇ。
日頃の運動不足がたたって息が切れる。こんな日が来るんなら、もっと鍛えておきゃ良かったか


ワタシがふるう初めての暴力に、黙って耐えるオット。そのまま顔を手で覆い、泣いているようだ
ワタシはそんなオットに近寄り、顔のすぐそばでにらみつけながら
「あのさ、こういう目にあって自殺しようなんて思わないでね 今あんたが首つったりしたら、それはワタシへの腹いせだと思うよ。ワタシにさんざイヤな思いをさせ、最後に立ち直れないぐらいの不愉快な思い出を、一生残る傷を、ワタシに残して死ぬことになるんだからね。そこまで迷惑なことはしないでね
そう言い捨てて、片付け物を始める。

オットはしばらくうなだれて泣いていたけれど、のろのろと立ち上がり、2階へ上がって行った。でも、すぐにイビキが聞こえてきた


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