仕事ならすぐ「痛い、しんどい」と言うくせに、出かけたり本を読んだり、好きなことだけはできるオット。
しかしワタシの出張前日には、頼んでないのに朝からせっせと包丁を研いでくれていた。犬の死を心配して隣町から寄ってくださった不意の来客にも、ごく普通に話をする。
とはいえ機嫌がいい訳じゃない

ワタシがお礼を言ってもニコリともしないし、この日はバタバタするので外食しようと言ったけれど「うん」は返事だけ。顔がまったく行きたそうじゃないのだ。いかにも辛そうに、うなだれて本を読んでいる。
外出はいやかなと、しょうがないので適当な物を買ってきて作り始めると「今日は外へ出るんじゃなかったのか
「あんたがちっとも行きたそうじゃなかったから、しんどいんだろうと思って作ってるのよ」
「オレは行くつもりだったのに」と、またもや機嫌が悪くなる。
こういうとこがモラっぽいんだよね
オットの日記にも「今日、みかんは自分から外食しようと言っておいて、『行きたくなさそうだったから』と飯を作った。ムカつく」と書いてあったし。

結局、食事を済ませるとすぐに寝室へ行ったオット
ワタシは片付けてしまわねばならない仕事がいっぱいあったので、それをやって荷造りをするともう朝。1時間ほど横になったら、出かける時間が迫っていた
起きてあたふたと身支度を調えていると、オットは黙って車を出し、駅まで送ってくれた。
「ありがとう、助かったよ」と言っても仏頂面だったので、そんなに不機嫌ならどうして送ってくれるのかと、理解に苦しむ。いいように考えれば、常に銃口を向ける妻への渋々なサービス、悪く言えば遊びに行く後ろめたさをカバーするためだろう。あ、どっちにしても悪いか


ほぼ徹夜状態でハードな仕事を終えて夜に電話すると、やっぱりめちゃくちゃ不機嫌だった。
でも、思い出したように
「オレ、明日は飲みに行くからな

ゴ━━━(#゚Д゚)=○)`Д)、;'.・━━━ルァ!!

わざと「誰と行くの」と聞いてみる。
「ふっふっ」と不穏な笑いのあとしばし“”があり、取ってつけたように「○○たちと」と仕事仲間の名前を出す。
あの「ふっふっ」はなんだったんだろう。ひょっとして、本当のことを言いそうになり、慌ててごまかしたのか
“間”に女の気配を感じて、今度はこっちが不愉快になった。
(帰ってからわかったんだけれど、この日は一人だったのでしこたま飲んでベロベロだったらしい。それでろれつが回りにくかったのだ)


そして翌日。
仕事中は打ちこんでいるから忘れられるが、ほっと一息つくとモヤモヤした感情がわき上がってくる。仕事を終えた時点で、ワタシは親しい友だちにメールで愚痴を漏らした。みんな、温かい返事をくれたから少し和む。やっぱり友だちはありがたいなぁ
食事を済ませて10時すぎホテルに戻り、ベッドに寝ころんでケータイを開く。フォルダに入れた愛犬の写真を見ていると、無性に寂しくなった
「会いたいよぉ。どうして死んじゃったんだよ」
ついワタシも、そんな言葉をもらしてしまう。写真に話しかけるうち、涙がボロボロ出てきた

きっと、疲れてナーバスになってたんだろう。
涙を流す自分が不細工で、自分が悲しくて情けなくて、オットが腹立たしくてある意味気の毒で哀れで、心底「もうダメだ」と思ってしまった
発病して2年あまりの間、何度も辛い思いをしたことはあるけど、涙が出るほどいろんな感情が一気に押し寄せたのは、これが初めてだった

風俗の女と飲みに行くくらい、たいしたことじゃないはずなのに。
自分では、そう思っていたんだけれど・・・。


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