クリニックへ通うようになってから、1ヵ月が経った。最初、飛び込みで行ったお医者さんは、予約制じゃないのですごく待たされる。調子の悪い人たちばっかりの間で4時間も待たされた日にゃぁ、良くなりに行ってるのかいないのか、わからないぐらいだ。そんなわけで、カウンセラーの友人に紹介してもらった別のクリニックに連絡を入れたけれど、そこは評判が良いので予約がなかなか取れなかった。
だから、初めのクリニックへ毎週行きながら、1ヵ月先の予約を待っていた

その日がやってきた。
予約してあるので、そうひどく待たされることはない。それだけでもラクそうだったけれど、診察や薬は大して変わらないので、オットは何か物足りなそうである(誰が見ても、見立てが変わらなかったと言うことなんだけど)。

ここ数日、元気はないけれど荒れ狂うということはなく、低いながらもまぁまぁの状態だった。だから、新しいクリニックの反応を聞いてもワタシは「そんなものだろうな」と思っていた。

翌日は、趣味のサークルへ見学に行く。帰りに、仕事以上のつきあいで何かと親切にしてくださる自動車整備の工場へ寄ってきたオット。
ここのお父さんにあたたかく迎えてもらい、家族ぐるみのやさしい応対に気分が上向きになったよう。機嫌良く戻ってきた。
他人の親切が、身にしみる

翌日は、友だちがやってる店の立看板を作ってあげると約束したらしく、オットは大工仕事に精を出す。それがうまくいかず、またまた落ち込む。こんな時だから、無理しなきゃいいのに。
結局、うまくいかなかったモヤモヤを引きずって、翌日もどんより。ずっと寝ていた。夕方、オットは自分の仕事のものを得意先に届ける用事があったんだけれど、「人に会うのはイヤ」ということでワタシがお使いに。目的地まで、車で送り迎えはしてくれたが、気分は低調のままだった。


この翌日も、朝から低調のままゴロゴロしていたオット。
お昼に、ハハが出来合いの弁当を買ってきたのを見てキレた。
ワタシは弁当の包みを見た瞬間「ヤバイッ」と思ったが、事を荒立ててはよけい刺激するだろうと黙っていた。それなのにオットは「またババアがよけいな物を買ってきた。お前がそれを見て文句を言うかと思えば、腹が立ってしょうがない」と言う。
「ワタシは何も言ってないでしょ。なのにどうしてそう気を回すの
「お前らの言い合いを想像するだけで腹が立つんだよっ
そう言いながらオットは、予備に貰っていたイライラ止めの薬を全部飲んでしまい、寝てしまう。
弁当をハハに返し、「当分はこんな調子だから、お願いだからうちの余分まで買い物してこないで」ときつく言い、適当にあるもので食事を済ませるワタシ。
でも、それから仕事をしていて、夕食の準備が遅くなってしまった。すると起き出してきたオットはふてくされてしまい、結局は夕食も摂らなかった。

この日は午前1時ごろに入浴し、それから洗濯をしていると、オットが2階から下りてきた。そして
「今日は昼間お母さんにきついことを言ったのに、こんな時間に洗濯するなんて、お前はおかしいんじゃないか。お母さんへの当てつけか、それは。お母さんがかわいそうじゃないか」と半泣きでからむ。ぐだぐだと同じことを繰り返し、30分ほどイヤミを言ってまた寝に行ってしまった。
そんなつもりじゃないのに、どうすりゃいいんだ。そもそもあんたが過剰に反応しなければ、何事も起こらなかったんだよ。
ワタシは、何をしても八方ふさがりの気分だった


翌日も、昨日のことをぶり返して、事あるごとにイヤミを言うオット。ずっと低調だし、食事も進まない。
そして夜は、ワタシが友だちからの電話を受けて喋っていると、後ろから突然、首を絞められた
たまたま、絞めたものがゴムのサポーターであり、ワタシがとっさに首とサポーターの間に手を差し込んで隙間を作ったから、大事には至らなかったけれど。もしロープだったらと思えば、今、思い出してもぞっとする
電話の向こうに気配を感じられちゃいけないので、何気なく用件を済ませて電話を切ったが、気分が悪くなる。でも「どうしてこんなことするの」と問いかける間もなく、オットは無表情で寝に行ってしまった。

毎日の気分の変化にビクビクしながら、身の危険まで心配しないといけないのか…。これからの日々を思うと、とてもいたたまれない気分だった


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