実在
天使また続いて説き給わく
実在はこれ永遠、実在はこれ病まず、実在はこれ老いず、
実在はこれ死せず、この真理を知ることを道を知ると云う。
実在は宇宙に満ちて欠けざるが故に道と云う。
道は神と倶にあり、神こそ道なり、実在なり。
実在を知り、実在に住るものは、消滅を超越して常住円相なり。
生命は生を知って死を知らず。
生命は実在の又の名、
実在は始めなく終わりなく、滅びなく、死なきが故に、
生命も亦始めなく、終わりなく、亡びなく、死滅なし。
生命は時間の尺度のうちにあらず、老朽の尺度のうちにあらず、
却って時間は生命の掌中にあり、これを握れば一点となり、
これを開けば無窮となる。
若しと思う者は忽ち若返り老いたりと思う者は忽ち老い朽つるも宣なるかな。
空間も亦決して生命を限定するものにはあらず、
空間は却って生命の造りたる『認識の形式』にすぎず、
生命は主にして空間は従なり。
空間の上に投影されたる生命の放射せる観念の紋、これを称して物質と云う。
物質は本来無にして自性なく力なし。これに性質あり、
また生命を支配する力あるかの如き観を呈するは
生命が『認識の形式』を通過する際に起こしたる『歪み』なり。
汝ら、この『歪み』に捉われることなく、
生命の實相を正観せよ。
生命の實相を知る者は
因縁を超越して生命本来の歪みなき円相的自由を獲得せん。