日野宿本陣(旧佐藤家)に梅の花が咲きほころびました。
佐藤家では、この梅の木を「歳三梅」とよんでいました。
歳三の姉・のぶが14歳で彦五郎に嫁ぐと、10歳程から奉公として佐藤家で暮らすようになりました。

歳三の父は、生まれる前に、母も満5歳で亡くなり、歳三にとって姉のノブは、唯一甘えられる身内でとても慕っていたので、そうなった一因でもあるかと思います。

この時期、大作(糟谷家に養子)、ノブ、歳三の3人は奉公になっていますが、ノブも最初は奉公として佐藤家に来ています。


歳三の豊玉発句集が佐藤家で発見された記述も残っておりますが、その中に梅を詠んだ句がいくつかあります。

⚫︎ 年々に 折られて梅の すかた哉

⚫︎ 咲ふれた 寒けは見へず 梅の花

⚫︎ 梅の花 一輪咲いても うめはうめ

⚫︎ 梅の花 咲るしたけに さいてちる

また、梅の句ではありませんが

「うぐいすや はたきの音も つひやめる」の句、

梅の木にうぐいすが止まったのか?佐藤家には「ゴロゴロしてないで、掃除でもしなさい!」とノブが歳三をよく叱っていたという話が残っています。