イコラブに関しては「絶対アイドル辞めないで」が現在進行形でバズっているのでイコラブファンとしては楽しい状態ですがMVのコメントを見ているとイコラブの観客動員に関しては私が思っている以上の潜在市場が存在するような気がしました。それに関連して潜在市場についてコメントします。


 潜在市場を検討する場合、ビジネス目標がどこに設定されているかが重要になります。そのビジネス目標に対する到達度に対して残りが潜在市場となります。この記事では潜在市場と潜在需要は同じ意味とします。


 私の想定しているイコラブのビジネスモデルでは主な収入源はCD売上、コンサート収益、グッズ販売としています。ストリーミングの収益はCDより単価がかなり安いのでイコラブの収益への影響は限定だと思っています。グッズ販売は売上データが不明なので今回は取り上げません。


1 CD売上

 CD売上のビジネス目標設定についてはその目標をクリアしているとレーベルのソニーミュージックが判断しているのでないかというのが私の推測です。更にCD売上の伸び代の潜在市場が大きくないと思っているという推測です。これはソニーミュージックのプロモーションが少ないことから想像です。つまり目標のCD売上は達成していているので更なる売上増加の優先度が高くない。潜在市場が大きくないのでプロモーションの効果が限定的と判断しているのでないかということです。

 もちろんCD売上増は目標としていなくてもCD売上の大幅減少はされたいので最小限のプロモーションは行われていると思っています。イコラブのプロモーションとして私が思っているは音楽番組へのプッシュと表題曲MVの制作費用です。音楽番組についてはCDTVにリリース時に出演していることがそれに該当していると思っています。従って「絶対アイドル辞めないで」でもリリース時にCDTVへの出演があると予想しています。表題曲MVも以前と比較すれば間違いなく予算が掛かっています。CD売上に応じた予算だと思います。

 このCD売上減少を少なくするための最小限のプロモーションという判断はイコラブだけでなくソニーミュージック参加の坂道グループも同様の対応だと私は考えています。それでも坂道グループとイコラブで音楽番組への出演数が異なるのはCD売上の違いに寄るものと思っています。イコラブがCDTV1番組の出演だとすればCD売上が2倍の櫻坂や日向坂は2番組で売上3倍の乃木坂は3番組という割合です。音楽番組への影響力はレーベルだけでなく事務所のそれもありますが残念ながらイコラブの代アニは音楽番組への影響力はないと思われます。もちろんレーベルや事務所の推しだけでなく音楽番組側の選択もあると思いますがそれについては現状は男性アイドルやK-popグループが選ばれるケースが多いでしょう。同じソニーミュージック内でもNiziUの音楽番組出演は番組側がNiziUは人気がある(視聴率がある)と判断しているためと思います。イコラブは今のバズりがリリース時の音楽番組出演数に影響するかどうか関心があります。


2 コンサート観客動員

 CD売上の話が長くなりましたが今回の「絶対アイドル辞めないで」のMVコメントを見て気づいたのはイコラブ以外のアイドル推し活している方がイコラブファンとなる潜在市場がかなり大きいということでした。

 まずイコラブのコンサート観客動員のビジネス目標は東京ドームです。そして現在の到達点はさいたまスーパーアリーナです。アイドルファンへのアピールは行ってきたので目標達成のための潜在市場は一般層だと私は考えていましたがアイドルファンへのアピールが全然足りていなかったことが今回実感しました。アイドルはエンターテインメントの世界なので好き嫌いがあるのは当然でイコラブの曲も好みで選ばれていると思っていました。しかしアイドル推し活している方でもイコラブは知っていたがMVを見たのは初めてという方が数多くいました。趣味の好みが先鋭化して推しているグループの曲のみを聞いている環境になっているようです。YoutubeやTiktokの仕組みが更にそれを勧めているようです。アイドル推し活している方の潜在市場があることは明るい材料です。ファンとなってコンサートに来てくれるハードルが低いからです。これが一般層の方だとファンになってもコンサートへ行くのは敷居が高いと思われます。

 イコラブのコンサート観客動員を増やすための潜在市場が一般層だけだとすると苦しい展開だと思っていました。一般層へのアピールには音楽番組への出演などレーベルのソニーミュージックのプッシュが必要となりますが私が想像するようにソニーミュージックが最小限のプロモーションだとするとその方面の効果は限定的となります。それがアイドル推し活層に潜在市場があるなら今回の「絶対アイドル辞めないで」のバズりが強力なアピールとなったはずです。この効果は7周年コンサートのKアリーナの観客動員数で分かると思います。もちろんアイドル推し活層だけのアピールだけでは不十分なので一般層へのアピールも必要ですがこれはYoutubeの急上昇の音楽ランキングの上位にいることで実現できています。


3 国民的なアイドル

 アイドル活動として一般層に広く知られて国民的アイドルとなりCMなどで稼ぐというビジネス目標はイコラブは設定していないと思います。これは指原PのTiktokによるバズりは気になるがそれよりはコンサートに来て頂いてファンになって欲しいという発言からも推察できます。国民的アイドルに近い位置にいるのは男性アイドルだと思うのでそういう意味では女性アイドルは冬の時代なのかもしれません。国民的アイドルを目指さないのならただ知名度を上げるためのプロモーションを行わないことは正解なのかもしれません。



イコラブの東京ドームの可能性が少し高くなった気がするので今回の「絶対アイドル辞めないで」のバズりの展開は引き続き観察したいと思います。



(追記)記事の音楽番組へのソニーミュージックの影響力の私の推測は現在のソニーミュージックのもので以前は先行投資として坂道グループはもっとプッシュされていたと思います。音楽番組への他のレーベルや事務所の影響力については不明です。