九十九里町 | 呑めねえ(八丁堀風)狸はただの…豚

呑めねえ(八丁堀風)狸はただの…豚

紅の豚のMARCOに憧れる?ジジイ。
でも、MARCOじゃ恥ずいから丸子。
ただ今、断酒中。
痩せたから豚から狸に改名。
呑めない狸も、そろそろ限界か!?

呑めない狸はただの…豚-片貝漁港
伊能忠敬出生の地、九十九里町にある片貝漁港。


ここは、いわしが有名で、漁港近くにいわし博物館や、いわし料理屋(刺身・なめろう・天ぷら・ゴマ漬けなど)がある。


千葉県には、天然ガスが自然噴出する地域が多く、それを集めて都市ガス・プロパンガス代わりにしている家もある。

2004年、そのガスがいわし博物館内にたまり、爆発するという事故が起きた(ニュースにもなった)

それ以降、博物館は休館となっている。


この漁港は、堤防釣りや船釣りで何度か利用した。

その際漁港をふらふらしていると、いわしの水揚げに遭遇した。

中型船が漁港に繋留、横付けした車に、大量のいわしを積み替えていた。


と、おっさんが、船の人に頼み、いわしのおこぼれをもらっていた。

レジ袋に一杯

「はいよ」

「いつも悪いねえ」

「あっ、これも網に掛かったな。

持って行くかい?」


まとう鯛だった。


かわはぎのように、肝と一緒に食すと美味しい。
呑めない狸はただの…豚-魚図鑑
高級料亭でしか食べられない魚、とする図鑑もあれば、食味悪く、人気がないとする図鑑もある。


水揚げ時、レジ袋に魚たっぷりは、銚子港でも見掛けるシーン。

おばちゃんが、たくさんのサンマをもらう。


引き返すと、軽トラが止まった。

さっきのおっさんだ。

「兄ちゃん達は、釣りに来たのか?」

「はい」

「釣れたか?」

「ダメでした」

「時間が悪いべ。

いわし食うか?」

「はっ?」

「焼いてやるから、食っていけ」

さっきのいわしだろう。

「いいですよ」

「遠慮するな。

旨いぞ」

「じゃあ頂きます」


おっさんの車ん中にガスコンロがある。

手馴れたものだ、いや、車で生活している人か?


コンロにいわし数匹を乗せ、火を着ける。


と、年配の夫婦らしき人が近づいてくる。


「どっから来たんだ?」

「東京です」

「そうか。

珍しい魚が手に入ったんだ。

安くしするから、持って行くか?」

「えっ?」

突然の声掛けにいささか驚いた様子の夫婦。

「ほら、これは赤坂の高級料亭でしか食べられない魚だぞ」

「なんていう魚ですか?」

「まとう鯛。

知らないべ?

刺身で旨いぞ。

あの船から2000円で買ったけれど、そのまま2000円でいいや」


おっさん、それっていわし船の人からタダでもらったものじゃん。


驚きで目を白黒するおいらたちを隣に、商談成立。


さすが…


さて、金が入ってご機嫌のおっさん。

「そろそろ焼ける頃だな。

酒飲むか?」

「いえ、車ですから」

「そろそろ焼けたな。

ほいよ」

ピクニックで使う紙の皿に、醤油を少し。

「どうだ、旨いべ?」


ガスがもったいなかったのだろう、ほとんど生焼け。

刺身で美味しい魚も、生魚の生焼けは頂けない。


貴重な、体験だった…




次回は、隣町の東金に付いて。