私は月に２回、長い時間電車に乗って施設にいる認知症の母親に会いに行く。

長いって、１時間半位。

その電車に乗るときは、ボックス席に腰掛ける。
ちょっとした旅気分になる。

今回も、私は旅気分にお握りやサンドイッチ、そしてさくらんぼジュースを買い込み電車に乗り込んだ。

誰も座ってないボックス席を見つけて腰掛ける。
よっしゃ！

、とそこに大きなカートをガラガラ引きながら高齢の女性が乗り込んできた。

「一緒にいいかしら？」

もちろんです、どうぞどうぞ。

人当たりのいいおばあちゃん。
急いで来たんだろうな、汗だくになってる。

「あぁ、暑い暑い」
女性は持っていたタオルでパタパタと顔をはたいた。

私ね、◯◯まで１人で行くのよ。
電車で。こんなことするの初めてよ。
緊張したわ～。姪っ子に５番線に乗れって言われたけど不安でね、人に聞いちゃったわよ。

おしゃべりが止まらない。

母も元気ならこんな感じかな。
母とおしゃべりしているみたい。

私は楽しくなって、お握りやサンドイッチを食べながらその女性の話をウンウンと頷きながら聞き入った。

すると。

その女性が住んでいる所はなんと私の実家がある場所だった。
そしてその女性は88歳。母とひとつ違いだった。

三越デパートで働いていたんだって。
私の母は伊勢丹デパートで働いていた。

なんか、近いなあ。

そしてもう亡くなったらしいご主人が認知症で徘徊した話をしてくれたんだけど、その徘徊した場所が、今まさしく私が住んでいる町だった。

そしてそのご主人のお墓は山梨にあって、命日は４月だけど６月にお墓参り行くんだと話してくれた。

「何故なら花より実だから」
と、女性は言った。

山梨と言えば果物。
６月と言えば、さくらんぼ。

あ！今私さくらんぼジュース飲んでます！

なんか、繋がりよいわけでもないけど、
共通項多くない？！

そうこう話してるうちに、電車は私が降りる駅に着いた。

ここでお別れ。

こんな謎のシンクロを感じるとは思わなかったよ。
せっかくだからと私は手を差し伸ばして、その女性と握手した。

電車を降りて、走る電車を見送った。

なんだか繋がりあるような、ないような。

でも、楽しかった。

袖振り合うも多生の縁っていうけど、話をすればするほど、縁を感じたな。

これから先、又何処かでばったりお会いしたりして。

なんか、煙に包まれたような、不思議な感覚の時間でした～。

幸せなママがいっぱいの世界を見たい！子育て・妊娠・出産アドバイザーただのかおるです！

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縁あるべくして出逢ったのかな。