先週の事、東京から高校時代の同級生、M君が大阪へ帰って来ると書き込みがあった。
彼とは卒業以来一度も会ってはいなかった。
高校生の時に、同じバンドを組んでいて、控えめだが正確なリズムのベースマンだった。性格が演奏に表れている、そんな感じの男だった。彼とは数回、人様の前でライブをした事があり、その度にカラフルなスカーフを巻いて来るのも印象的だったし、それも彼の性格をよく表していた様に思える。真面目で律儀な男だった。

35年振りに会った彼は、髪の毛が見事に銀髪をなって、そして買おうには年相応の年月が刻み込まれていた。
そこで会おうとしていた中華料理にお店が満員だったので、近くの居酒屋へ場所を帰る。

お互いの卒業以来の話や、今の生活について色々話す。普通、こういった場面では一瞬で高校生時代に時が戻り何の蟠りも無く打ち解ける様な事になる様だが、僕にはそれが出来ない。彼に会えた事は、凄く嬉しいのだが、早く帰りたいなぁという気持ちも少しだけ心に浮かぶ。こんな時いつもそうだ。僕が嫌いな僕の一部だ。
しかし、無理をする事もなく彼との会話を楽しむ、彼は高校を卒業後浪人生を経てある美術系の大学に入りそして今は大手のゼネコンで働いているという。仕事の話は楽しい。僕が歩いてきたイベントの世界とは違い、自分の仕事が世の中に残っているという事が何だか羨ましかった。
途中で、僕と同じ業界で社長業を営むT君も合流した。「ハヤクカエリタイ」また僕の心の一部が呟く。やれやれ。このTという男は、若くして独立して大手の代理店とバリバリも仕事をこなしている事を良く耳にしていた。彼とも、ゆっくりと話をするのはやはり35年振りの事だった。

夫々が自分の35年間を語り、それを聞いた。
ある話題では、皆んなは高校生に戻り、またある話題では60歳を過ぎてからの事に及んだ。
その中に一つ嬉しい話があった、いつか、この3人でスペインへ旅行に行こうかという事になり、それは僕のこれからの生活を過ごしていく中での一つの目的になった。
何にせよ、目的があるという事はいいものだ。

3人で11時30分まで話をして、後の2人はまた夜の街へ消えていった。
楽しい夜だった。