先日、私が辞退した同時通訳業務に、私の知り合いの通訳者が入ることになった。
その通訳者からプレゼン(PowerPointで作成)の原稿を見せてもらう。
プレゼンを行うのは、主に日本人と米国人だけど、その通訳者と、プレゼンに関する両国の違いについての話に。
一般に、米国人がポイントを押さえたプレゼン資料を作るのに対し、日本人はプレゼン資料の中にやたら情報を詰め込みたがる。この傾向が特に強いのが公務員や公的機関の職員、大学教員。
自分のスピーチやプレゼンの持ち時間から逆算し、ポイントを的確に押さえて相手にメッセージを伝えるという視点が、日本人のスピーカーに欠けている。私も、そんなプレゼンに何度も遭遇してきた。
そうした日本人のプレゼンは、実は通訳者泣かせ。時間が足りなくなってページを飛ばすスピーカーが多く、それに通訳者が追い付けなくなる。
なぜそうなるのかと言うと、特に公務員や公的機関の職員の場合、実を取るより、体裁を整えることの方が重要だからである。
官僚主義や、お役所仕事の弊害が、こうした国際会議の場にも表れる。
一方、それが通訳者にとって、仕事の機会になっていることも事実。非常に複雑な気持ちだけど。