財務分析のポイント(私流) | 投資家リプリーの気まぐれブログ

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株式投資に関して気になった事、調べた事などを気まぐれにアップしていきます。

財務諸表の意味についての説明をブログに上げましたが、ここではその財務諸表をどう分析するか?

について、私の手法を説明したいと思います。

 

私の場合、企業を以下の4つの観点から分析しています。
(1) 当期決算: 当期は儲かったのか? 資産の増減は? その源泉は?
(2) 安全性: お金は回っているのか? 資金繰りが行き詰る恐れは?
(3) 収益性: そもそも儲かっているのか?
(4) 成長性: 成長してるか? 今後も成長しそうか?

 

各々を詳しく説明すると:

 

(1) 当期決算: 当期は儲かったのか? 資産の増減は? その源泉は?
 ・まずは当期の売上と純利益が前期より増えているかどうか、見通しを上方修正

  しているかどうか、などを見ます。
 ・その上で、損益計算書のどの項目の増減が目立つかを見て、違和感を感じた場合は

  その理由を調べます。
 ・次に、貸借対照表の資産の部で、増減が目立つ項目を見て、その理由が何か?

  その増減分を負債・資本のどの項目で賄ったか、を見ます。
 ・これらを見た結果、当期の業績が良かったのかどうかを判断します。

 

(2) 安全性: お金は回っているのか? 資金繰りが行き詰る恐れは?
 ・まず流動比率を見て、1年以内に返済せねばならない債務の大きさに見合うだけの

  流動資産を持っているかどうか、を見ます。

  目処としては、100未満は危険水域、200以上は安全地帯、と思ってます。
 ・その上で、営業キャッシュフローがプラスかどうか、マイナスの場合はそのマイナスの

  規模が現預金残に比べどの程度の大きさかを見ます。
 ・また、在庫期間、売掛金回収期間、仕入債務返済期間などは常識的な範囲内か、

  延びてないか、などを見ます。

  在庫期間は業態によって適正レベルは異なりますが、私的には3ヶ月程度は標準レベルで

  それより長ければ要注意、売掛金回収期間も同様で2.5ヶ月程度が一般的でそれより

  長ければ要注意かなと思ってます。

  但し、売掛金回収期間が長くても、仕入債務返済期間がそれより長ければ問題無いかと

  思います(売り先から代金を受け取ってから買い先に払う事になるので)
 ・その他、借入金の規模や自己資本比率等で違和感がある場合に、背景を 調べます。

  自己資本比率そのものは40%あれば十分だと思います。
 ・これらを総合して、安定性を評価します。

 

(3) 収益性: そもそも儲かっているのか?
 ・売上総利益率、営業利益率、ROEの推移を見ます。

  売上総利益率は業態によってレベルが全然違う(商社<メーカー<サービス業)ので一概には

  言えませんが、20〜40%が標準的かなと思います。

  営業利益率は10%以上ならOK、20%超は十分高い、ROEは8%が良い悪いの境目

  かなと思っています。
 ・決算報告会資料なども見た上で、ビジネスモデルが儲かる構造になっているのか、複数の

  事業分野を持っている場合は儲かる分野が伸びているかどうか、などを見ます。

 

(4) 成長性: 成長してるか? 今後も成長しそうか?
 ・まず当期売上の前期比の増減を見ます。10%以上は欲しいところです。
 ・次に、今後の見通しがどうかを見ます。
 ・そして、今後の見通しが妥当かどうか、を考えます。但し、ここは主観的に考えざるを

  得ず、難しい部分です。

 

細かく記載しましたが、この中でも最重要と思っているのは:

・収益性: 営業利益率(特に過去からの推移)

・成長性: 売上上昇率(過去からの推移と今後の見通し)

・安全性: 営業キャッシュフローと流動比率

 

この4点が悪いところはあまり投資対象としては考えたくないな、と思っています。

 

財務分析の手法は人それぞれで、自分独自の手法を持っておられる方も多いかと思います。が、そうでない方は、私の手法も参考にしながらこれはという企業の財務分析を行ってみてはいかがでしょうか?