活動初日(2日目)

 

白子町げんき夏祭りの準備を手伝わせていただいた。最初は「準備」としか聞かされておらず、誰とどこでいつまでやるのか全くの不明。

一抹の不安と、白子町の雰囲気、このメンバー、楽しみであふれていた。どんな大変な仕事であってもやってやるぞ。そんな空気に変わっていた。

 

祭り会場に足を踏み入れる。

中央に櫓があるだけでただの芝生の更地。

プロの建設マンがせわしなく鉄骨を組み立てていた。日に焼けた男たちが汗だくで作業している。狼狽えつつもほっちゃんにくっつきながら挨拶回り。

 

ひでさんとこばさん。

両方とも二文字でしばらくこんがらがっていたが、キャラが濃厚なおふたり。秒で記憶に植えつけられる。

他にも、学生の我々にとって見慣れない雰囲気の人など十数人。

私はサンダルを常に履いている。祭り建設のTPOに明らかに反している姿で受け入れてもらえるのだろうか。

 

「夕方に迎え来るから」

不安と楽しみが混在するメンバーを横に、ほっちゃんは会場を後にした。

いよいよボランティア活動が始まる。

 

教育実習生

目を惹いたのは、聞き馴染みのない言葉で会話している人たち。

国籍ではなく、彼らの若さにである。日本の大学生の年齢で異国の地に単身やってきている、カンボジアからの技能実習生だそう。

日本の成長は止まった、ベトナムなどのアジア諸国の勢いはすごい、そんなことを耳にすることが多くなってきたがそれでもなお、日本が稼げるから自国の生活を捨ててやってきているのだろう。2週間前に日本に来た、という人もいた。生きるために来ているからか、そんなことを感じさせないくらい仕事ができる。素人目から見てもはっきり分かった。

自分より若いこの人たちに自分は勝てるのだろうか。これから社会に出てやり合っていけるのか。

ネガティブな気持ちになりそうな自分に喝を入れる。

「これからよ」

 

お昼。

毎日、美味しそうなお弁当を用意していただける。

折角だしカンボジア人の人たちと食べたい!半ば強制的に彼らの隣にレジャーシートを広げる。拙い日本語、英語とカンボジア語?を織り交ぜながら意思疎通を試みる。

気づいたら参加者である女子大生のファンクラブの会員が一人増えたよう。これで外国人会員割合が5割という国際的なファンクラブ(?)

 

朝飯:カレーうどん(昨晩の残り)、スクランブルエッグ

昼飯:お弁当

 

準備中盤(3日目)

 

準備は夕方5時に終わる。

ほっちゃんが車で迎えに来てくれる予定を急遽、歩きに変更。自分たちで白子の町を感じてみたい。地図上では徒歩20分のところを2時間かけて歩いた。

ただ景色だったものが、自分の町へと一変。

雑木林をかき分けて、虫と格闘しながら進む。

しばらく歩くとコンクリの道路にあたる。人工物の有難味に触れながら、自分たちの足跡を振り返る。

その勢いで歩む方向を変えてみると、眼前に広がる海。大学生が子供に戻ったようにはしゃぐ。大学生はまだ子供か。いやずっと子供かもしれない。

 

 

今日こそはゆっくり休める。そんなことをさっきまで言っていたはずが気づけばもういただきますの予定時刻を過ぎている。急いで帰路へ足を戻す。

少年気分から現実に目を向ける。

 

 

ベースキャンプで焚火

 

歩きでの帰宅後、やきそばとCookDoの麻婆茄子を作った。4人とも徐々に疲労が溜まってきている。それをリセットするための手抜き料理。

 

 

食べ終える前に、毎晩恒例のイベントが今夜も発生。

ほったゃんの拠点、NBベースキャンプでは廃墟のプールをリノベして活用している。都内では間違えなくお目にかかれない施設である。

 

NBベースキャンプでBBQしたいね、初日に一目惚れしたNB。ほっちゃんと4人での約束。まさかそれがこんな早く叶うとは思ってなかった。

 

実はこの日はゆっくりチルできると思い、NBで焚火しようとみんなで話していた。

夜飯の焼きそばを食べ終わったらのんびり行こうとしていたら既にほっちゃんは焚火で団らん中。

何時間もお待たせしてしまっていた。というより、我々のために用意してくれていた姿に涙。言葉数少ない寡黙な人にこんなことされたら東京帰れなくなっちゃう。

気づけばほっちゃんの友人もぞろぞろ参加してきて白子の繋がりをまた実感。

 

朝飯:納豆、目玉焼き、みそ汁

昼飯:お弁当

夜飯:焼きそば、麻婆茄子

 

 

準備最終日(4日目)

 

昨日、焚火したあと、家に戻らずメンバーの一人とNBに泊った。

早朝サーフィンをするために。

結局この日も波に乗れず。

 

 

他のメンバーと合流し、朝の支度。今朝はフレンチトーストにしようと決めていた。

 

他に何かやることあるのか。朝にみんなでそんな話をしながらまつり会場に入る。

もう慣れた。いつもの光景。

こばさんがいじられたり、ひでさんが冗談を言ったり。そこに他の人も加わり気づいたら輪ができる。他の場所ではベトナム語と日本語の多言語が飛び交う国際交流。

素敵な人たちに出会えて幸せ。

 

この日は、まっちゃんさんと、ちーちゃんさんと仲良くなれた。

お二人とひたすら駐車場のライン引き。

この人たちも例にもれず浜っこのため、いかつい(笑)

こうやって、祭り関係者の皆さんと日を追うごとに仲良くなっていくのがまた面白い。

 

ご褒美

ここまで息つく間もなく走ってきた。結局前日もゆっくりしようと思っていたところ、散歩したり焚火したり盛り沢山であった。

翌日からの祭り当日に向けて今日こそはゆっくりしよう。あらかじめ料理はしないことを決めていた。ずっと自炊していた。クックドゥを使用した以外、みそ汁からごはんまですべて4人で作っていた。

今夜はずっと気になっていたレストランに行こう。家の真隣にあるハンバーガー屋さん。毎晩家に照明が差し込んでくる。外装も素敵で、不味いはずがない。うっきうきで向かう。

臨時休業。

仕方ない。まだ日は残っている。今夜は他のお店へ。

ほっちゃんに聞くと、近くに美味しい洋食屋さんがあるらしい。

徒歩圏内で営業時間も問題ない。

ここに決めた!

 

その前に、疲弊した体を癒すため温泉へ。

そこも徒歩圏内。

じつは祭り準備中に実行委員会の方々に聞いておいた。

しらこは温泉街だが、夜に温泉のみの利用が出来る場所は限られている。しかも徒歩圏内となるとほぼ見つからなかった。

そしたらなんと実行委員の一人が紹介してくれた。

 

受付に行くと、話は聞いているとのこと。あの人のおかげだなあとしみじみとしながら入浴料を支払う。

「お代はいらないですよ」

え!?

 

後から聞いた話だが、この日以降も毎晩入れるように手配していただいていた。

この方にはこれから散々お世話になることになる。

 

その幸せのまま、洋食屋へ。

迷いに迷って看板メニューを注文。

旨すぎるっ!

 

胃袋も心も幸せでほわほわな状態で帰路についた。

 

我々が白子のために出来ることなんてたかが知れている。

参加費は払っているが、経費で明らかにマイナスだ。労働や単純作業だけさせて使い倒すこともできる。

それでも温かく受け入れてくれる理由を何度か尋ねたことがある。

「若い人たちが白子に来てくれるだけで嬉しい」

ほっちゃんだけでなく、ここの人たちはいつもそう言ってくれる。正直いまもピンと来ていない。

自分の行動がどれだけ役に立つか分からない。ただ、出来る限りのことはしよう。そのために来た。そう改めて心に決める。きっと、他の3人も同じ思い。

 

朝飯:フレンチトースト、茄子の揚げびたし

昼飯:お弁当(かつ)

夜飯:ブイヤベース(外食)

 

そんなこんなで準備日程3日間は進んだ。

提灯を吊り下げたり、紅白テープを巻いたり、提灯を吊るしたり、看板設置したり、昇降機で提灯吊るしたり。

少しずつ、でも確実に完成まで近づいて行っている。

完成すなわち「終わり」も近づいて来ている。そのことに気付かないようにそっとその3文字にふたをする。